家庭用の食料品や調味料から、ちょっとした外食にかかる費用、果ては宅配便の料金に至るまで、このところ個々の金額はわずかでも、ボディーブローのように家計にダメージを与える値上げが続いている。ここでは2017年内に値上げが発表されている製品やサービスを紹介しよう。

(1)鳥貴族 <3193> は28年ぶりの値上げ

値上げ,鳥貴族
(写真=PIXTA)

実に28年もの間、全品税抜き280円均一という価格を維持してきた焼鳥店チェーンの鳥貴族が、遂に値上げに踏み切った。8月28日に同社が発表したところによると、10月1日の日曜日から全店で280円を298円に、「28とりパーティー」も現行の2800円を2980円に改定することにしたという。

値上げの背景に原材料や人件費などのコスト増が今後も続くと見込まれることがあるにせよ、デフレ時代の覇者と賞された鳥貴族の値上げは、デフレからの脱却がいよいよ現実化してきた象徴だと言えるのかもしれない。

(2)すかいらーく <3197> のサイドメニューも

日本経済新聞は8月9日、すかいらーくグループが展開する全ての飲食店ブランドで10月から価格改定が計画されていると報じた。

「ガスト」や「バーミヤン」など約3000店舗を運営しており、中期計画では2018年末までに新たに200~250店を出店する予定だというのだが、従業員の人件費上昇に対応するためには値上げに踏み切らざるを得ないと判断したようだ。

今回の値上げはサイドメニューをはじめ、飲み物やサラダといった客数に影響が少なそうなメニューを対象にしており、平均客単価が15円程度上昇することを見込んでいる。また都心部での値上げに対し、地方では価格を据え置く方針についても検討しているという。

(3)調味料にも相次ぐ値上げフォームの始まり

日本経済新聞は8月3日、日清オイリオグループ <2602> が10月から家庭用オリーブオイルを10%以上、値上げすると報じた。今回値上げされるのは、5品目にわたる家庭用オリーブオイルで、天候の不順によって南欧産オリーブが不作となった結果、現地から輸入するオリーブオイルを確保することが難しくなっているのが原因だ。

一方6月27日の日本経済新聞は、全国農業協同組合連合会(JA全農)が国産ジャガイモから作るでんぷんの卸値を10月から1割引き上げると伝えている。国内で消費するでんぷんの多くは輸入トウモロコシから作られているのだが、国産ジャガイモから作る「馬鈴薯でんぷん」は、中華料理のとろみ付けや一部の加工食品などに使う片栗粉などの原料に利用されている。

ジャガイモの産地である北海道は昨年台風被害に見舞われ、品薄感から6年ぶりの値上げとなった。今年の北海道のでんぷん向けジャガイモの作付面積は、前年をやや下回る約1万5000haの見込みで、ポテトチップス向けの原料も足りない状況にあるという。

また毎日新聞は7月31日、かつお節大手の「にんべん」が10月2日出荷分以降のかつお節や削り節などの価格を10~25%程度値上げすることを伝えている。原料のカツオの価格高騰が続いていることが原因で、家庭用ではかつお節や削り節、フレッシュパック類などの58品目、業務用でも43品目が値上げされる。

(4)宅配便も値上げが相次ぐ

「クロネコヤマトの宅急便」で知られるヤマト運輸 <ヤマトHD 9064> は、4月28日に新規の労働力の確保や社員の処遇改善、ラストワンマイルネットワークの強化などを目的に、9月末までには宅急便の基本運賃の改定と各種サービスの内容変更や新設を実施すると発表している。

荷物のサイズに応じて現行の宅急便基本運賃の税抜き価格が140円から180円加算されるという一方で、スキー宅急便は現行の140サイズから160サイズに改定。ゴルフ宅急便も現行の120サイズから140サイズに改定される。

さらに、荷物の発送や受け取りに際して集配の効率化に協力する個人顧客を対象に、直営店の店頭端末「ネコピット」で作成した送り状を利用する場合、荷物1個につき50円を割引く「デジタル割」や、直営店持込時のクロネコメンバーズを対象とした直営店持込み割引 、荷物の届け先を直営店への直送を指定した場合には通常の宅急便運賃よりも荷物1個につき50円が割り引かれるなどのサービスも開始が予定されている。

また、「12時から14時」と「20時から21時」の配達時間帯の指定枠を廃止するとともに、「19時から21時」の2時間の指定枠を新設するなど、社員の昼休憩取得と長時間労働抑制を目的とした改正も実施されている。

競合先であるSGHDグループの佐川急便も、コスト増加への対応策として飛脚宅配便の運賃改定やスキー用具の適用サイズ変更などの対策を、11月21日から実施するという。同社が消費者を対象とする値上げに踏み切るのは、2004年に現行の運賃を国土交通省に届け出して以来初めてのことだ。

大型の荷物で最大33%になるという値上げによって得られる原資は、従業員の待遇改善や輸送力の増強に充てられる。社会的な課題となっている「働き方改革」の実現に向けて、従業員の労働環境の改善が急務となっていることが今回の値上げの背景にあることは否めない。(ZUU online 編集部)

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