9月6日、玩具販売大手の米トイザラスが2018年に返済期限を迎える負債処理に関し、法律事務所と契約を結んだと米国の複数メディアが報じた。一部メディアによると、経営破たんの可能性もあると言う。日本トイザらスの動向も気になるところだ。
玩具業界の苦境を映すトイザラスの破産報道
米複数メディアの報道によると、米トイザラスは2018年に期限を迎える4億ドル(約440億円)の債務について、法律事務所カークランド・アンド・エリスと契約を結んだとされる。債務返済についての協議を進めていくと見られるが、返済が出来なくなった場合、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条を適用し、経営破たんする可能性もあると報じられている。
同社は投資ファンドのベイン・キャピタルとコールバーグ・クラビス・ロバーツや不動産投資信託のボルネード・リアルティ・トラスト等により、2005年に買収され、非公開企業となっている。近年は米アマゾン・ドット・コム等のネット販売に顧客を奪われており、業績が悪化している。2017年1月期の最終損益は3600万ドル(約38億円)の赤字となり、4期連続の最終赤字を計上した。売上高もピークの約17%減の115億ドル(1兆2500億円)となった。
同社もネット販売への対策は続けており、販売サイトの開発・運営には巨額の費用を投じている。しかし、他の物とまとめて買えるという利便性を持つアマゾンの影響力は強く、消費者がアマゾンでの購入に慣れてしまっているという事もあり、ネット販売での巻き返しも多難を極めている。
また、消費動向の変化も同社の業績に影響を与えているようだ。玩具世界2位であるデンマークのレゴグループが5日に発表した2017年1~6月期決算は13年ぶりの減収となった。世界で8%の人員削減を発表する等、先の読めない状況となっている。消費者はスマホやタブレット等で遊べるゲームを好む傾向が強くなっており、玩具自体の需要が減少している事も指摘される。
厳しい業績が続く米トイザラスであるが、経営破たんについてはあくまでも可能性の域を出ない。連邦破産法11条の申請については、まだ真剣に検討されていないという報道もあり、債務の軽減や資金調達によって、債務返済を行う可能性も十分にあり得る。米トイザラスは26日に2018年1月期第2四半期決算の発表を予定しており、そこで詳細を明らかにすると言う。