子どもが産まれると、子どもの学資保険をすすめられることも多いと思います。なぜ、学資保険に加入する必要があるのかをご存じでしょうか。実は学資保険は早めに加入した場合のメリットを紹介します。また、生命保険に加入しているから十分だと思っている方もいるかもしれません。学資保険と一般的な生命保険とはその役割が異なるので、その違いを説明します。

学資保険と生命保険の違い

生命保険,学資保険
(写真=wong yu liang/Shutterstock.com)

学資保険と生命保険との大きな違いはその目的にあります。

学資保険:被保険者となる子どもが将来進学していくために必要な学資金を貯めることが目的
生命保険:被保険者が亡くなった場合に死亡保険金を受け取れるという万が一のときの備えが目的

子どもに死亡保険金が支払われるような生命保険をかけるということは、あまりないかもしれません(養老保険などの貯蓄性が高い商品を除く)。一般的には扶養者を被保険者にして、被保険者に万が一のことがあっても、以降の教育資金や生活費に困らないように生命保険で準備することが多いようです。

また、生命保険では被保険者(この場合主な扶養者)が亡くなってしまった場合、死亡保険金を受け取って契約は終了となります。

一方、学資保険では被保険者が亡くなってしまった場合には同様ですが、契約者である扶養者が亡くなってしまったとき、以降の保険料払込なしに学資金を受け取ることができます(保険料払込免除特約または特則を付加している場合)。

両方に入るメリットとは?

先に説明したように、生命保険で万が一のときの教育資金を準備することもできます。そのため、子どもの将来の教育資金を含め、残された家族が十分に生活していけるだけの生命保険に加入すれば、学資保険に加入する必要がないと考える人もいるかもしれません。

しかしこれは扶養者に万が一のことがあったときにのみ効力があるものです。子どもの教育資金は扶養者の生死にかかわらず、きちんと準備しておくべきです。

ただし、学資保険と生命保険(被保険者=扶養者)の給付がダブっている箇所があります。先述したように、学資保険では契約者=扶養者が亡くなってしまった場合に、以降の保険料払込なしに学資金を受け取ることができます(保険料払込免除特約または特則を付加している場合)。

つまり、学資保険で準備できる金額は、生命保険金の中から除いてもいいことになります。子どもの学資金は学資保険で、学資金以外の生活費については生命保険で準備することで、保険料の無駄なく加入することができます。

子ども向け保険商品を選ぶ際のポイント

学資保険といっても各社さまざまなプランがあり、どのプランが最適なのか判断する必要があります。たとえば、被保険者である子どもの年齢によっては加入できないものもあります。

これは、学資保険が貯蓄目的であるため、払い込む期間が短いと満期金に達しない可能性もあるためです。大抵の場合、学資金はどの子どもにも同じ年齢ぐらいで必要になります。よって、子どもが大きくなってから学資保険に加入しようと思っても、返金率が低くなったり、加入できなかったりすることもあるので注意が必要です。

また、返戻率(払込保険料に対して満期金などの受取金額の割合)を高めるためには、払込期間を短くしたり、前納したりすることがおすすめです。返戻率を重視するなら、はじめから満期まで受け取れないプランを選ぶのもよいでしょう。反対に、小学校への進学時、中学校への進学時など、進学の度に学資金の一部ずつ受け取ることができるプランもあるので、ご家庭できちんと将来設計をして学資保険に加入するようにしましょう。

それぞれの保障内容を見極めて賢く備えを

保険にはさまざまな商品がありますが、よく内容を確認したうえで加入しないと、保障内容が重複しているということもあります。重複しているとしても、万が一のときにはそれぞれから保険金が支払われますが、学資保険と生命保険の目的を正しく理解し、無駄のない加入をしましょう。(提供: 保険見直しonline

【オススメ記事 保険見直しonline】
更新期が来た時の保険の見直し方とは
生命保険を選ぶ際の「掛け捨て型」と「貯蓄型」の決め手とは
持病や手術歴がある場合の保険の見直し方
改正にともなう火災保険の見直し・比較のポイント
人生のビックイベント! 結婚・出産・離婚にまつわる保険の見直し方