2017年8月の東京都心は記録的に「雨」の多い夏だった。東京都心の降雨は8月1日から21日まで21日連続となり、1977年の22日連続以来40年ぶり過去2番目の長雨記録となった。東京都心の日照時間は83.7時間と、77年の85.8時間を下回り観測史上最短だった。日照不足が日本経済にどういう影響を与えたのかを検証しよう。

過去最低の日照時間と日照率となった17年夏

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(写真=PIXTA)

長雨、日照不足となったのは、7月末に勢力を強めたオホーツク海高気圧の影響で北東からの冷たい風「やませ」が流れ込んだことが主因だ。偏西風が平年より南側を流れたこともあり、移動性低気圧が日本列島を数多く通過し不安定な気候となった。東京都心部の過去最低となった日照時間83.7時間は、81年から2010年まで30年の平均である169.0時間の約半分だった。日の出から日没までの時間に対する日照時間である日照率も20%と過去最低だった。

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