「シンガポールの民間住宅価格が2018年末までに10%値上がりする 」との予想をモルガン・スタンレーが発表した。

2013年以降約3年にわたり続いていた大幅下落が、昨年の第3四半期から回復基調にあり、大型マンションの再開発計画が続々と市場に流入していることも、価格を押し上げる要素となると見ている。

90年代に民営化された集合住宅の再開発ラッシュ

住宅価格,再開発,不動産
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2009年に政府が導入した不動産抑制措置の影響で、シンガポールの住宅価格は大幅下落を見せていた。2016年第3四半期には、2013年のピーク時から10%以上の下落を記録。販売も頭打ちしていた(ブルームバーグ より)。

シンガポールの国民の多くは公営住宅(HDB)に住んでいるが、1970〜80年代にかけて「HUDC(住宅都市開発企業)マンション」と呼ばれる中流階級向けの集合住宅が、多数建設 された。需要の減少から90年代には民営化が進み、近年再開発計画が活発化している。

最近の例では80年代に建てられたHUDCの一つ、Eunosvilleが7.6億ドルで売却された。本来300戸規模の建物を再建し、1400戸に増築する計画だ(ストレイツ・タイムズ紙より )。
ビジネス・タイムズ紙の報道によると、モルガン・スタンレーのアナリスト、ウィルソン・ウン氏は、こうした再開発計画が追い風となり、シンガポールの民間住宅価格を年内に2%、来年末にかけてさらに8%押し上げると見ている。

年内は値下がり、2018年から上昇?

ウン氏は4月の時点では、年内に4%下落後、2018年には5%値を上げると予想していた。また「2030年には価格が現在の2倍に跳ね上がる」との大胆な予想で、世間を驚かせた。

HUDC再開発計画にあたり、約1500人の住宅所有者の移転が予定されている。これにより18億ドルが流入するとウン氏は期待している。現在交渉中の再開発計画が50〜60件があることから、さらなる資本流入が予想されるというわけだ。

しかしウン氏の予想を「最も楽観的」とする意見も多い。不動産コンサルタントの多くは年内最大2%減と見ている。

DBSは年内に2%減、2018年と2019年は各3%上昇と予想。シンガポールのOCBCインベストメント・リサーチ は年内には最大5%減、2018年には最低水準にまで落ち込むとの見解だ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)