2017年は「RSウイルス感染症」の患者が急増する傾向にあるという。とは言っても、そもそも「RSウイルス感染症」とは何なのか自体、あまりよく知らない人の方が多いのではないだろうか。

この感染症は呼吸器感染症の一種で、主な症状は発熱や鼻水などなのだが、通常は重症になるようなことはない。ところが場合によっては、重い咳が呼吸困難や肺炎に繋がるようなケースもあり、特に乳児や基礎疾患のある場合などには十分な注意が必要になる。そこでここでは、「RSウイルス感染症」の実態を捉えると同時に、影響を受けそうな関連銘柄を押さえておくことにしたい。

既に流行期に入った「RSウイルス感染症」

RSウイルス
(写真=PIXTA)

乳幼児の肺炎の一因にもなる「RSウイルス感染症」は、普通なら冬を中心に流行していた。それが8月15日の日本経済新聞によれば、8月6日までの1週間の患者数を昨年の同時期と比べてみると、約5倍にもなっているのだという。感染症の流行は近年前倒しになる傾向にあり、今年は既に流行期に入ったとの見方もある。

全国に約3000ある小児科定点医療機関からの報告によれば、今年の第31週にあたる7月31日から8月6日にかけての患者数は約5000人で、昨年同時期の約1000人から大幅な増加となっているという。

また、東京都感染症情報センターの定点報告集計表を見ても、8月28日から9月3日にかけての第35週における感染症報告数は東京都合計で822件、1定点あたり3.17で、これは2016年の312件、1定点あたり1.21を大きく上回っている。

予防のためのワクチンが開発されていない上に、接触感染や飛沫感染で簡単にうつってしまい、再感染もよくあるという「RSウイルス感染症」だけに、かからないように予防するほか有効な対策はなさそうだ。やはり投資家たるもの、マスクなどの予防措置を提供している銘柄など、関連銘柄の動向を注視しておくことが必要だろう。

(1)ダイワボウHD <3107>