男性のヘッジファンド・マネージャーの運用成績は、女性の2分の1未満 ——。
この興味深い事実が、ヘッジファンド・リサーチHFRの「HFRX ダイバーシティ・ウーマン指数 」から分かった。
2017年1〜7月にかけて、女性マネージャーが9.95%のリターンを叩きだしたのに対し、「HFRI総合指数」は4.81%。こうした傾向は過去5年以上続いている。
マネージャーだけではなく、「総体的に女性のほうが投資に向いている」ということも、ほかの調査から報告されている。
男性のリスク 調整後リターンは女性のものより1.4%低い
フィナンシャル・タイムズ紙の報じたところでは、HFRXダイバーシティ・ウーマン指数の過去1年のリターン率は11.9%、総合指数は7.05%。
カリフォルニア大学バークレー校が1991〜97年にかけて3.5万世帯を対象に実施した調査では、男性の投資家のリスク 調整後リターンは女性のものより1.4%低いと報告された。また「女性顧客の年間平均リターン率は6.4%と、男性顧客のものより0.4ポイント上回っていた」ことも、フィデリティ・インベストメンツの2016年の調査から明らかになっている。
原因として、男性のほうが活発な投資を行う傾向が強い点や、女性の方がリスクを分散し、居忍耐深い点などが挙げられている。
女性投資家の好調ぶりが、果たして先天的に優れた投資の才能によるものなのか、女性特有の慎重さを重視する特質によるものなのか、真相は解明されていない。
リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネージメントの個人投資部門責任者、ヘレナ・モリッシー氏は、「少なくとも女性も男性と同じくらい投資に向いている証拠」とし、「より多くの女性のヘッジファンド・マネージャーが必要である」と主張している。
モリッシー氏は、分析やリスクに対するアプローチが、女性と男性では微妙に異なる点を指摘している。