中国では第19回党大会(10月18日)まで1カ月を切り、習政権一期目の総括が盛んになっている。もちろん成果を誇るものばかりではあるのだが。各地方メディアも我が省、我が市ではこの5年でこう変わったという記事を連発している。全国データはCCTV系の央視網の評論を各ニュースサイトが転載している。
記事は習政権一期目に1500項目にのぼる改革に着手したと強調した。全力を挙げて推進した結果、経済システムの調整と産業の高度化は加速した。そして経済の持続的発展にとって新しい動力源になっているという。以下データを確認して考察してみたい(1元=16.9元)。
収入と就職 ジニ係数は下落、就業人口は増加
収入
2013年以来、都市農村住民の年収入は、平均7.4%増加した。GDPの増加と歩調を合わせた増収を実現した。収入の格差も縮小し、ジニ係数は2013年の0.473から2016年には0.465に下がっている。
就職
2013年から2016年の間、都市における就業人数は累計で5258万人増加した。4年連続で1300万人以上の増加を維持している。また1800万人の都市貧困層の最低生活保証を行い、900万人の都市失業者に対し、無償の職業訓練を施している。
考察
一方では1000万元長者が5年間で2倍に増えたというデータもある。裏帳簿も考え合わせると、所得格差は拡大していると見ていい。就職も大卒初任給が下落するなど、高度なスキルを持つ人員以外の就職は楽ではない。