東証1部の時価総額が9月19日、613兆7404億円となり、過去最高の2015年8月10日の609兆5652億円を更新した。この日の日経平均は一時400円を超す上昇となったほか、TOPIXは1667.88ポイントと年初来高値を更新。世界的な株高の流れなれ、特に米国の金利上昇やドル高・円安が好感されたことが、時価総額の記録更新に寄与した。バブルを振り返ると絶頂期の1989年12月29日の時価総額は590兆9087億円だった。

時価総額の記録更新は株高に加え、発行株数の増加によるところも大きいとされる。時価総額を名目GDP(国内総生産)で割ったバフェット指数は、1倍を上回る水準で推移している。同指数は、時価総額が名目GDPを上回ることが一つの危険サインとする著名な投資家ウォーレン・バフェット氏の考えをもとにした指標であり、急激な調整への警戒感はくすぶる。

米国の年内利上げ観測も含めて、今後の経緯など株価の変動も見ながら慎重に見極める必要がありそうだ。

バブル期は時価総額も株価も同時に記録更新

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(写真=PIXTA)

時価総額は株式市場に上場している銘柄の株価に株数をかけたもので、上場企業が持つ企業価値の総額ということである。上場している企業の数が同じであれば、株価が上昇すると時価総額もその分だけ増え、株価と時価総額は同じ動きを見せることになる。しかし上場する企業の数が増えれば、株価が上がらなくても時価総額は上がるのである。

時価総額がバブル期の水準を超えたからといって、株価と時価総額は異なる指標である。89年のバブル期の記録は、時価総額の更新だけでなく、株価も市場最高値を付けている。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)