ABCラジオ【笑ってトクするマネークリニック】 特集「保険」 専門家たちの金言 広告特集「ライツ・オファリング」 特集「仮想通貨/ビットコイン」 特集AI 人口知能がもたらす禍福 特集「本を読む。」 DC特集
投資の応用
Written by 平田和生 271記事

なぜ、バブルは起こる?

「バブル」が分かる良書5選 「暴落の前に天才がいる」

投資家にとって、何とも甘く切ない言葉「バブル」。日本だけでも、1980年台後半のバブル景気、2000年頃のITバブル、2007年頃のファンドバブルなどがあり、株式、不動産などが大きく上げた後に崩壊している。

アベノミクスの株価上昇や仮想通貨の上昇もバブルだとの見方もある。金融市場で資金形成するためには、バブルのチャンスを活かし、バブル崩壊を避けることも大切だ。過去のバブルと崩壊過程を学ぶことができるバイブル的な5冊を紹介しよう。

(1)『[新版]バブルの物語 人々はなぜ「熱狂」を繰り返すのか』

――ダイヤモンド社(2008/12)、 ジョン・ケネス・ガルブレイス(著)、鈴木哲太郎(訳)

バブル,投資,相場
(画像=Webサイトより)

故ガルブレイスはカナダ出身の経済学者で、ルーズベルト、トルーマン、ケネディ、ジョンソンなどの米政権のブレーンとして仕えた。終戦直後には日本の統治の顧問も務めた。著書も多いことから「20世紀でもっとも読まれた経済学者」とも言われている。『大暴落1929』という著書もあり、大恐慌50周年記念式典でスピーチをしたバブルについての権威でもある。

市場があり、欲がある限りバブルは必ず繰り返す。ガルブレイスは、投機の古典的な例を上げ、17世紀チューリップバブルから、29年世界大恐慌、87年ブラックマンデー、1990年日本のバブルに至るまでを分析している。91年に日本のバブルが崩壊後に初版された名著の改訂版だ。

「暴落の前に天才がいる(暴落の前にはバブルを発生させる金融の天才がいる)」、「真実はほとんど無視される」、「上昇の頂点で暴落は起きる」、「崩壊は時が過ぎれば忘れ去られる」など、バブルの本質に迫る名言が多い。誰もが今回だけはバブルでなく永遠に続くと勘違いしてしまう。その歴史を学んでおくための「バブル」のバイブル本だ。

(2)『バブルの歴史』

――日経BP社(2000/4)、エドワード チャンセラー(著)、Edward Chancellor(原著)、山岡 洋一(翻訳)

上記『バブルの物語』が米国の経済学者の著書なのに対し、エドワード・チャンセラーは英国のジャーナリストとの視線からバブルにアプローチした。

ガルブレイスはバブル前にはバブルを発生させる「金融の天才」がいるとしたが、チャンセラーはバブルの歴史は「画期的ですごそうなもの」の歴史だと書いた。英国の中央銀行であるイングランド銀行でさえ、もともとは1694年に設立されたベンチャー企業だった。東インド会社や18世紀の南海会社が世界に活躍の場を求めたのも、19世紀の鉄道ブームも、2000年のITバブルも「新しいこと」がバブルを生んだとしている。

チャンセラーは、単なるバブルの歴史を語るだけなく、ジャーナリストとして当時の識者、経済学者の見解について 紹介している。ケインズの「アニマル・スピリット」やガルブレイスの「大恐慌時にビルから人が飛び降りた話は寓話にすぎない」などがバブルとともに論じられている。バブルとバブル崩壊は、古い体制が壊され新しいものを産み出す社会の歴史として必要だったかもしれない。

(3)『今そこにあるバブル』

――日本経済新聞出版社(2017/8/9)、滝田 洋一(著)

日経新聞の金融部に長く所属し、編集委員である滝田氏が今年の8月に出版したばかりの最新のバブル本だ。BSジャパン『日経プラス10』のメインキャスターも担当している。

ガルブレイスやチャンセラーのように過去のバブルを語ったのでなく、今起きつつあるバブルに焦点をあてた。

日本経済で、「バブル期以来」「バブル期超え」を示すような指標が相次いでいる。バブルというのは、忘れた頃に過去とは違う形で起こる。株や土地が全面高になるのばかりがバブルではない。日銀の管理下で買われる債券、節税目的のアパートローンやタワーマンションブーム、インバウンド人気で過熱する大阪ミナミの地価上昇、急騰したビットコイン相場、ドットコム系銘柄、AIなどを過去のバブルと比較している。果たしてこれらはバブルなのだろうか?

(4)『金融の世界史: バブルと戦争と株式市場

――新潮社(2013/5)、板谷敏彦(著者)

バブルについて語った本というよりも金融史について書かれた本である。ただ金融史を語る上でバブルとバブルの崩壊、そして戦争は避けて通れない。地政学リスクが高い今だからこそ、一部の金融商品でバブルの気配がある今だからこそ、改めて学んでおきたい金融の歴史だ。

著者は証券業界、運用業界などに長くいただけに、後半ではより実践に近い、ファイナンス理論、投資の永遠テーマである「インデックス投資」対「アクティブ投資」、「バフェット」対「ジェンセン」の論争などをしており、バブルと戦争をきっかけに投資に関する基本を学べる構成になっている。

(5)『バブル:日本迷走の原点

――新潮社(2016/11)、永野健二(著者)

日経新聞の証券部の記者、編集委員として、バブル経済やバブル期の様々な経済事件を取材した永野氏が日本のバブル崩壊について、住銀、興銀、野村、山一など企業サイドと大蔵省など行政サイドから迫った。

バブル経済とは好景気のことではない。バブルとは、特定の資産価格が実態から掛け離れて上昇することで市場経済の運営が不可能になってしまう現象である。バブルとは、グローバル化による世界システムの一体化のうねりで生じる矛盾と乖離である。記者として最前線で追いかけた真実の迫力がありルポタージュとしても楽しめる。バブルがなぜ起こってしまったかを理解するのには判りやすい。

平田和生(ひらた かずお)
慶応大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。日本株トップセールストレーダーとして、鋭い市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスで国内外機関投資家、ヘッジファンドから高評価を得た。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

【編集部のオススメ記事】
最前線で活躍する大人のスキンケアの心得とは(PR)
9月に読まれた記事ベスト10|トイザらス破産、スタバ以上のホワイトな企業とは……
時代が変わっても変わらない金投資の魅力とは?(PR)
住宅購入の前に読みたい記事5選|年収5倍までの住宅購入は正しいのか?
NISA口座おすすめランキング、銀行と証券どっちがおすすめ?(PR)

「バブル」が分かる良書5選 「暴落の前に天才がいる」
ZUU online の最新記事を
毎日お届けします
PREV 夢や目標を叶えるため 逆算の資産管理「ゴールベース・アプ...
NEXT 長期投資を見直すときに必要なリバランスの使える知識!