国や自治体は、多世帯住宅を取得する際の補助金の支援を拡大してきている。国の事業である「地域型住宅グリーン化事業」で要件に該当し、多世帯住宅の場合なら補助金がさらに加算され、最大で215万円の補助金が交付される。高齢者世帯や子育て世代が共に安心して暮らすため、多世帯には手厚い支援となっているが、公的な支援事業というのは幅広く周知される機会が少く、自分で積極的に見つけていかなければならない傾向にあるため、あまり認知さていない場合が多いのではないだろうか。
多世帯とZEH住宅などで最大215万円の補助金交付「地域型住宅グリーン化事業」とは
国土交通省の事業である「地域型住宅グリーン化事業」は、地域における省エネルギーで良質な木造住宅・建築物の促進を図るための取り組みであり、この取り組みに参加するグループ企業として採択された、地域の中小工務店が建築する木造住宅・建築物に対して補助金が交付される。
グループ企業として採択された地域の中小工務店などが建築するもの対しての補助金事業であり、大手ハウスメーカーはグループ企業として参加していないというのがポイントである。
この事業で対象となる補助金の木造住宅・建築物の内訳は以下の通りとなる。
(1)長寿命型(長期優良住宅:木造、新築)・・・100万円/戸
(2)高度省エネ型(認定低炭素住宅:木造、新築)・・・100万円/戸
(3)高度省エネ型(性能向上計画認定住宅:木造、新築)・・・100万円/戸
(4)高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅:木造、新築および改修)・・・165万円/戸
(5)優良建築物型(認定低炭素建築物等一定の良質な建築物:木造、新築)・・・1万円/平米
さらに、補助金の加算の対象となる内訳は以下の通りとなる。
・(1)から(4)については、主要構造材(柱・梁・桁・土台)の過半に地域材を使用する場合は20万円の加算
・キッチン、浴室、トイレ、玄関のうちいずれか2つ以上を住宅内に複数個所設置する場合30万円を上限に加算
上述のうち、(4)の高度省エネ型のゼロ・エネルギー住宅(ZEH住宅)に該当すれば165万円の補助金交付となり、構造材に地域材を使用した場合は20万円の加算が、キッチンやトイレなど設備を2つ以上設けるような多世帯住宅ではさらに30万円が加算され、最大で215万円の補助金が交付になることになる。多世帯での住宅建築を検討しているなら、比較的高額な補助金になるであろう。