京都市議会は、9月の定例本会議に「京都市宿泊税条例の制定」についての議案を提出している。ホテルや旅館などに対しては、すでに東京都や大阪府も導入しているが、今回の議案の中で注目されるのは、「無許可民泊への宿泊税」にも課されるという点であろう。宿泊税の税率においても、三都市の中では最も高額な設定になる予定だ。

京都市は今回の宿泊税が導入された場合、年間で46億の税収を見込んでおり、高いインバウンド需要が続き急務とされる環境整備費の打開案となるのだろうか。

ホテルでも旅館でもない「民泊」とは

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

京都市が宿泊税の対象とした民泊とはどういうサービスであろうか。日本での一般的な民泊サービスとは、住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部または一部を活用し宿泊のサービスを行うことを指している。厚生労働省によると、個人が自宅や空き家の一部を利用して行う民泊サービスの場合でも「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業行為」に当たる場合は、旅館業法上の許可が必要としている。

京都市は、条例により指定区域では高階層の建物を建築できない事情があり、ひとつのホテルや旅館の客室数が限られてしまう。そのため、慢性的な宿不足を緩和させるには、民泊の供給が必要になっているのが実情だ。

しかし、本来は旅館業の許可を必要とする宿泊施設であっても、無許可営業と推測される施設は1800件(2016年5月現在)を超えており、今現在も増加している。

インバウンド整備には無許可民泊の税収も不可欠

米国の有力旅行誌「トラベル・アンド・レジャー」の誌読者投票で、5年連続ベストテン入りし「KYOTO」の国外での認知度は高まっており、2016年の外国人宿泊客数は過去最高を記録した。

国際観光都市として、訪日外国人に対しての掲示板の設置やサービスの強化など適切なインバウンド整備が求められているが、京都市の税収は微減状態にある。宿泊税は、比較的安定した税収を見込める財源としているのだろう。

前述の通り、京都の宿泊施設は民泊サービスの供給力も大きい。宿泊税での大きな財源となるには、無許可の民泊にも範囲を広げることが不可欠になる。

宿泊税の税率は3都市で最も高い額に設定、2018年10月の実施を目指す

今回、京都市が提出した宿泊税の税率の議案は、宿泊の料金に応じて1泊200円から1000円となり、東京都の100円から200円、大阪の100円から300円と比べて、最も高い税率となっている。

宿泊金額のそれぞれの内訳は、宿泊者1人1泊につき下記の通りとなる。
(1) 宿泊料金が20000円未満である場合…200円
(2) 宿泊料金が20000円以上50000円未満である場合…500円
(3) 宿泊料金が50000円以上である場合…1000円
※修学旅行生などは除く

修学旅行生や学校行事などの場合は非課税ではあるが、京都市は宿泊税を導入することによって年間で46億の税収を見込んでいる。宿泊料金の下限が設けられていないため、宿泊費の課税ボーダーラインは無く、宿泊費の金額設定にどう影響があるか動向を見守りたい。

住宅街にも存在する民泊サービスは、近隣トラブルも少なからず発生しており、運営や管理の体制に不安定さもある。国土交通省は、民泊サービスの健全化を図るために一定のルールを定めた「住宅宿泊事業法(民泊新法)」を閣議決定し、2018年6月から施行する。無許可で営業する違法民泊を都道府県への届け出を義務化するなど、民泊サービス全体の制度化が目的となっている。国の民泊新法の後押しも受け、京都市の宿泊税の導入が苦慮する税収増加の打開案になるのだろうか。(ZUU online編集部)

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