戸建て物件で最低限チェックしておく場所
戸建ての空き家を買う際はチェック項目がたくさんあります。とはいっても、未経験の場合、何を見たらよいか分からないものです。最低限チェックしているポイントは次の5つです。初心者の方はカメラを持っていって、あとで専門家に見てもらうとよいでしょう。
1.基礎状態
基礎の観察で私が重視するのはクラック(ヒビ)です。ヒビには、いいヒビと悪いヒビがあります。いいヒビとは「ヘアークラック」と呼ばれる細かいヒビのこと。これは気温の寒暖で生まれる普通のヒビです。悪いヒビとは、幅が0.5mm以上の深いヒビ、そして横に入ったヒビです。地盤が軟弱、または地震などでできた構造上に問題あるクラックの可能性があります。いずれにせよ、こうしたクラックが見られた場合は専門家の見立てが必要です。もう1つ心配なのはシロアリ被害です。シロアリにやられている場合、基礎に「蟻道」という茶色い土が地面から壁辺りまで伝わっているのですぐ分かります。
2.屋根(破風、軒天)
屋根の状態は「破風」や「軒天」で判断します。破風や軒天の補修は屋根と同時に行うため、これらの塗装が剥げていたら屋根はエラいことになっています。
3.壁
屋根と並んで不動産オーナーを一番に悩ませるのが壁です。「ヤネカベ」の補修をいつやるかで利益が百万円単位で変わってしまうので、ここもきちんとチェックしましょう。まず壁を触ってみます。ペンキが粉のように指についてしまう現象を「チョーキング現象」といって塗装劣化のサインです。また、壁に水をかけ水をはじくかどうかを見ます。「コーキング」の隙間やヒビを見るのも大事です。壁のサイディングボードのすき間を埋める樹脂がコーキングです。コーキングが劣化してくるとヒビが入り、そこから水が入って壁内部にダメージを与えます。
4.内部
内部で特に注意したいのが、玄関、建てつけと床、天井のしみです。玄関の敷居などにシロアリがいれば、茶色のボロボロがでています。また、建てつけは補修で治りますが、あまりにひどい場合はビー玉を床に置き床の傾きを見ます。天井のしみは雨漏り跡がないか見るためです。特に照明の近くや壁とのすき間から水が漏る場合がありますので注目します。
5.物件周辺(日照)
日当たりや、庭がついていたらその状態などをチェックします。
不動産投資家が心得ておくべき3つの考え方
私は今までに完璧な不動産に出会ったことはありません。というより、欠点だらけの物件に10億も投資しています。ここからは100万円台不動産投資家が刻み込むべき3つの考え方を紹介します。
1.完璧な物件なんてない
マンション1室投資であればある程度よい状態での投資が可能ですが、100万円台で行う1棟の貸家投資では、チェックポイントのどれかに必ず触れます。ここで投資家の思考が必要なのです。要は貸せるまでにいくらお金をかければ、どれだけお金が入ってくるかが重要なのです。
この、費用対効果の考え方を不動産業界では「利回り」と呼んでいます。たとえば、20万円の家に修繕費80万円かかったとします。すると物件にかかったお金は100万円です。これをひと月家賃3万円で貸すと、年収36万円÷100万円ですから、利回りは36%です。80万円も修理費にかかるのか! ではなく、80万円かければ利回り36%の物件が手に入るのか! という発想がいるのです。最初にお金がかかっても、将来は利益を生むと判断したら、お金を惜しまないのが投資家の思考なのです。
2.空室の原因を調査&除去
現状空室の物件を買うとき必ずおさえることが空室の原因です。空室原因が明らかな物件ほど対策もカンタンです。私が20万円で購入した物件は、掃除が行き届いていなく壁紙が傷んでいました。しかし、部屋を掃除し壁紙を張り替えただけで、月3万円で貸せました。当たり前のことをするだけで、収益を生む素敵な物件になる場合もあるのです。
3.プロに従う
不動産を買うことは、人生を変えることです。不安になるのは当然ですが、だからこそプロがいるのです。こういうとき、残念なことに、ほとんどの人は未経験者のいうことを聞きます。「それリスクあるよ」「本業頑張ったほうがいいよ」「よく検討したら」というアドバイスをしてくれる方は、不動産で成功した経験があるのでしょうか。信頼と経験ある方の意見を聞くべきです。
広之内 友輝(ひろのうち・ともき)
空き家再生人。1973年北海道生まれ。サラリーマンから起業し7000万円もの失敗を犯すも、地方×格安の「ガラガラボロボロ」物件で復活。日本、カナダやカンボジアでの総投資額10億800万円、現有不動産計26棟306戸を平均利回り16.2%の高利回りで運用(2017年現在)。年収1000万円以下サラリーマン限定の「サラリーマン1億円倶楽部」では、2万4000人のメール会員から選ばれた22人のサラリーマンを資産1億円に導く。
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