不動産投資の特徴の1つが、能力や労働ではなくモノに左右される事業(資本集約型)であることです。これにより、どうしても最初の投資が大きいことが壁となります。もう1つは、立地に左右される、動けない事業であることです。まさに「不動産」なのですが、ここに不動産業のもう1つの大きな壁、いったん決めてしまうと動けないというリスクがあるのです。

この意味で、私は不動産投資で一番大切な瞬間とは? と聞かれたら、迷わず「不動産を選ぶとき」と即答します。いい物件が見つかった場合、必ず物件を見に行くべきです。もし見たい物件があなたの地元で見つかったなら、さっそく帰省を兼ねて見に行きましょう。今後あなたが地元で不動産業をはじめることができたなら、物件視察となる交通費はすべて経費となり節税にもなります。

(本記事は、広之内 友輝氏の著書『 貯金100万円から月収50万円生活 はじめての人が地方×格安不動産でお金の自由を手に入れる5つのステップ 』ぱる出版(2017年9月21日)の中から一部を抜粋・編集しています)

物件周辺チェックで押さえておくポイント

月収50万円生活
(画像=Webサイトより)

周辺アパートの空き戸数で、賃貸需要を調べることができます。近くにアパートがある場合、10%程度の空室率ならまずは平均です。たとえば、8戸のアパートが調査物件の近くにあれば、おおむね1~2戸程度の空室に収まっていれば買うかどうかの検討に入れます。これが3戸空き、4戸空きの物件がちらほらある場合、賃貸物件は余っています。空き戸数は大体窓で分かりますが、確実な方法はガスの元栓(元栓が直角に折れていれば空室)や電気メーター(普通、冷蔵庫や待機電力があるので生活者がいればゆっくりでも回る)でチェックすることです。

また、明らかに元〇ブンイレブンや〇ーソンという空き店舗を街で見ることがあります。店舗駐車場不足で近くに移転・営業再開していればよいのですが、本当に撤退しているとなると、人口減などによる地域力の低下=入居ニーズの低下を意味している場合があります。コンビニの空き店舗は福祉関連施設や事務所などに再使用されている場合もあります。大手のドラッグストアーなどチェーン店の撤退も同じです。このような大手チェーンはビックデータをもとに将来の地域人口予測まで出して出店・閉店の判断をしているからです。

同時に、買物(コンビニやスーパー)、学校(貸家や2LDK以上のファミリー向け不動産を買うときは大切)、病院、官公庁やサービス施設(銀行など)など利便施設が整っているかもチェックします。特に半径800メートル以内は必ずチェックします。徒歩10分圏内(不動産業では、80mを徒歩1分とするのがルールです)の利便性は入居にプラスだからです。入居者のターゲットとなる専門学校や大学、企業などもチェックします。大学近隣への投資は学生の入居ニーズが期待できる一方、大学との運命共同体でもあります。ですので、大学の撤退や学部の廃止、統廃合による定員減に気を付けなくてはなりません。特に注意すべきなのは私立大学の撤退です。

そのほか、次のような嫌悪施設がないかもチェックします。

  • 騒音、振動、悪臭、大気汚染などを引き起こす施設。
  • パチンコ店、ラブホテル、風俗店など周辺の治安に不安を感じるような施設
  • 葬儀場、火葬場、墓地、刑務所など不快感を引き起こすような施設

要は自分がその部屋に住んだ際、近くにあったら嫌な施設がないかをチェックすればよいのです。