手術給付金は、対象となっている手術を受けた時に手術費用として支払われるもので、医療保険選びの大きなポイントの一つです。しかし、入院した時に受け取ることができる入院給付金と比べると、手術給付金について正しい知識を持っている人はあまり多くありません。そこで、手術給付金に関する3つの疑問点についてまとめました。

(写真=Dzelaluddin/Shutterstock.com)
(写真=Dzelaluddin/Shutterstock.com)

手術給付金の倍率って何?

医療保険では手術ごとに倍率という数値が設定されており、手術給付金を計算する際に必要なものとなります。一般的に手術給付金は以下の式で表されます。

(手術給付金)=(入院給付金の日額)×(倍率)

倍率が高いほど手術給付金は高くなりますが、倍率の数値は手術費用に比例しているわけではなく、手術費用が高額なのに倍率は低いというケースも存在します。

また、手術給付金の対象となる手術は大きく分けて以下の2種類あり、保険会社や医療保険によってどちらのタイプか加入前に確認しておく必要があります。

・ 88項目型(約600種類)
・ 公的医療保険で算定対象のもの(約1,000種類)

昔からある医療保険では88項目型であることが多いですが、最近ではサポート範囲がより広い公的医療保険を基準としたタイプを採用している商品が増えてきています。ただし、88項目型でしか対象とされていない手術なども存在し、対象手術の数で一概に優劣を決めることはできないので、医療保険を決める際は注意しておきましょう。

給付金の対象とならない手術はあるの?

医療保険では長い間88項目型が定着していましたが、手術給付金が支払われる判断基準として以下のような点があげられます。

・ 治療を目的としている
・ 生体切断や摘除が行われる
・ 約款に記載されている

そのため、美容整形手術や不妊手術、検査のための手術などは対象外とされています。また、たとえ対象となる手術が公的医療保険制度を基準としていても、以下のような除外手術は給付金の対象外となる場合が多いです。

・ 創傷処理
・ デブリードマン(壊死組織の除去、キズの清浄化)
・ 切開術(皮膚、鼓膜)
・ 骨または関節の非観血的整復術、非観血的整復固定術及び非観血的授動術
・ 抜歯
・ 異物除去(外耳、鼻腔内)
・ 鼻焼灼術(鼻粘膜、下鼻甲介粘膜)
・ 魚の目、タコ切除術(鶏眼・胼胝切除術)

医療保険の契約ごとに、対象とならない手術が定められている場合もあります。手術内容によっては給付金の対象外となりますので、事前に確認するようにしましょう。

手術給付金に回数制限はあるの?

手術給付金は、通年の支払い限度回数は設定されていないものの、1度の入院で1回分しか受け取れないことが多いです。具体的には、「同日中の手術は倍率が最も高い手術にのみ給付金が支払われる」「最初の手術から60日以内は最も高額な手術のみ給付金が支払われる」など、商品や契約ごとに異なります。

手術給付金の支払い限度回数は、加入している医療保険と状況に応じて細かく規定されています。加入前によく確認しておきましょう。

保険に加入する前に疑問を解決!

医療保険は手術や入院の支払いなど、さまざまな事柄について細かい規定があります。たとえ1回の給付金の額が大きくても、支払われる状況などが特殊であれば、加入時には想定していなかった不都合などが生じる可能性があります。

医療保険に加入する前には、疑問点を事前にピックアップしておき、専門家に相談するなどして解決しておく必要があります。ぜひ、加入する医療保険は後悔の無いように選びましょう。

(提供: 保険見直しonline

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