唐突な解散に始まり、政界再編の波が吹き荒れる永田町。自民党は、衆院選公約に消費税を10%に増税した際、増えた税収については子育て世代への投資に回し、3歳児から5歳児の幼稚園や保育園の保育料の無償化を掲げている。

公約に組み込まれた保育料の無償化だが、足元では保育料の値上げに踏み切る自治体もあり、子育て世代の負担が増している。選挙を機に、保育料の現状をチェックして、居住する自治体の動向を押さえておきたいところだ。

大田区、保育料最大25%値上げ

保育料,引き上げ
(写真=PIXTA)

保育料は子供を預ける施設によって大きく分かれる。施設や保育者の配置人数などが国の基準を満たした認可保育所であれば、保育料は世帯の所得に応じた負担となるが、自治体間で負担額に差がある。世田谷区の例では、保護者の保育料負担の平均は2万4227円という。

一方、企業などが従業員の子供のために開設した事業所内保育所などを含む認可外保育所では、保育料は各施設で設定されている。認可外保育所に子供を通わせるケースでも、自治体によっては補助を出すケースもある。厚生労働省の地域児童福祉事業等調査(2012年)によると、事業所内保育施設の月額利用料は1万‐3万円未満、その他の認可外保育施設では3-5万円未満が最も多い。

世田谷区は、待機児童の解消に向けて様々な施策に取り組むべく、質を確保しながら持続的な保育を提供するために、2017年9月から認可保育園の保育料の引き上げに踏み切った。生活保護世帯や所得割課税額が12万2000円未満の低所得者層の負担は変更せず、それ以外の世帯は収入に応じて500円-5900円の値上げとなる。

大田区も17年9月から保育料を見直し、その中でも特に0歳児クラスの見直し幅が最も大きかった。生活保護世帯や低所得者層への負担は据え置くか引き下げる一方、他の収入世帯では保育料が約25%の上昇となる。

住民税所得割額が26万3200円以上、28万6500円未満の世帯では、0歳児の保育料は3万4200円から4万2500円へと8300円の引き上げだ。また、所得割額が60万円以上の高所得世帯の保育料は6万3500円から7万1800円となった。

自治体を悩ませる0歳児の保育コスト

大田区が0歳児保育の負担をアップさせた背景には、コストの問題がある。自治体の多くは、子供の年齢を3歳未満、3歳、4歳以上などと分類して保育料を設定しているケースが目立つ。

しかし、3歳未満で一括りにされる0‐2歳児を比較すると、0歳の園児1人あたりに必要な保育経費は1歳児と2歳児に比べて高くなる。世田谷区によると、認可保育園での児童1人あたりの経費は毎月15万3991円だが、1、2歳児は18万8353円、0歳児は31万2990円で、低年齢児ほど経費が膨らむ。自治体にとっては受益者負担をどのように求めるかは頭の痛い問題だ。そこで大田区は、0歳児の保育料カテゴリーを新たに設置し、0歳児、1、2歳児、3歳児、4、5歳児と4つに分類して保育料を設定した。