中国はモバイル決済先進国だ。経済ニュースサイト「界面」は、さまざまな角度から最近のモバイル決済に関するレポートを載せている。その内容を分析し、中国ネット金融社会の近未来の情景にせまってみよう(1元=17.03円)。

キャッシュ以外の決済が前年比3割増

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(写真=Wael Khalill alfuza/Shutterstock.com)

2016年における中国の非現金決済の件数は1251億件に達した。前年比32.6%の増加だった。その決済金額規模は3687兆元に達した。そのうち電子決済の比率は68%を占める2500兆元だった。

電子決済は銀行など金融機関を経由する。その金融機関の2016年の電子決済手段は、インターネット決済が全体の83.6%を占める2085兆元だった。モバイル決済は6.3%、158兆元を占めた。

商産業研究院のデータによると、2016年のモバイル決済顧客規模は、4億7000万人に達している。2015年の3億6000万人から30.6%増加した。2017年は27.7%増加して、6億人を突破すると予想されている。その後増加の速度は落ち着くものの、2020年には、8億1000万人になると予測されている。

2016年のモバイル決済規模の158兆元は、2015年比50%増であった。その2015年の105兆元は、2014年比457%だった。確かにこの2年間の爆発的普及ぶりは、目を見張るばかりであった。今年2017年には201兆元、27%増が予想されている。

電子決済の支払いはパソコンからスマホへ移行しつつあり、この間にアリババの支付宝と、テンセントの財付通(微信支付など)の両巨頭は、不動の地位を固めた。

当局の望みは2強ではなく3強鼎立