「特に収入がない専業主婦に医療保険は必要ない」という話を聞くこともあるかもしれません。確かに専業主婦が入院しても、一家の収入にはほとんど変化がないという家庭もあります。また、十分な貯蓄があり、保険に頼らなくても医療費の捻出ができる家庭もあるでしょう。しかし、本当に専業主婦は医療保険に加入する必要がないのでしょうか。
今回は、専業主婦の医療保険についてさまざまな角度から考察していきます。
医療保険とは
医療保険は、入院日数に応じて給付金が支払われるのが特徴です。1日以上の入院で給付金が支払われるものや、短期入院でも一律の給付金が支払われるものもあります。また、所定の手術をした場合は手術給付金が支払われます。最近では「入院を伴わない手術」でも給付金が支払われるタイプが多くなっています。
女性向けには、医療保険に付加できる「女性疾病特約」があります。女性疾病特約は、子宮・卵巣などの女性特有の疾病で入院した場合に、給付金が上乗せされる特約です。
以前と比べて入院日数は減る傾向にあるとはいえ、厚生労働省の「平成26年患者調査」によれば、現在の平均在院日数は31.9日となっています。これだけの期間働けないうえに、入院費や薬代もかかる状況になった場合、家計への負担はかなり大きいでしょう。だからこそ、医療保険は必要なのです。
主婦に必要な備え「子どもがいない場合」
女性の入院について考えていきましょう。20~30代では「子宮筋腫」「卵巣腫瘍」など女性特有の疾病を原因とするものが上位となります。さらに、この年代の入院者数を見てみると、男性よりも女性が多いという特徴もあります。また、年齢が高くなるにつれて、がんや白内障での入院が増加していきます。当然ですが、この場合も症状に応じて入院期間が長くなることが考えられるでしょう。
現在子どもがいない人でも、将来妊娠することがあるかもしれません。その際、なにか問題が生じて入院してしまった場合でも、医療保険に入っていれば給付金を受け取れる可能性があります。
手持ちのお金から入院費用を賄うこともできるかもしれませんが、子どもを望んでいるのならば、将来に向けてなるべく貯蓄を減らしたくないというのが多くの人の本音ではないでしょうか。なお、妊娠中には医療保険に入れない場合もありますので、妊娠前に検討、そして加入しておくことをおすすめします。
主婦に必要な備え「子どもがいる場合」
子どもがいる専業主婦の場合はどうでしょうか。次の子どもを妊娠する予定のない人は妊娠関連の問題について考えにくいため、若いうちや健康に自信がある場合は医療保険への加入の必要はないと思われるかもしれません。しかし、子どものいる人ほど医療保険へ加入しておいた方がいい理由があります。
その理由は、専業主婦の家族貢献度です。内閣府が2011年に調査した「性別・活動種類別・就業形態別・配偶関係別の一人当たり無償労働評価額」によると、30~34歳専業主婦の無償労働評価額は430万円ほどになるそうです。専業主婦の仕事量の多さ、質の高さがおわかりいただけるでしょう。
そのため、専業主婦が入院したとなると、食事を外食やお総菜に頼ることになるかもしれません。また、家庭によっては託児所やベビーシッター、家事代行サービスの利用も検討が必要です。さらに、配偶者や子どもが病院にお見舞いにいくときの交通費、場所によっては宿泊費も準備しなければなりません。
専業主婦がいない間に発生する出費すべてを貯蓄から捻出するとなると、非常に負担が大きいでしょう。医療保険に加入していれば、給付金を入院治療費だけではなく家族のケアにあてることができます。子どもがいる専業主婦が医療保険に加入した方がいいのはこのためです。
医療保険の加入を検討しよう
女性には妊娠関連の入院以外にも、子宮・卵巣などの疾病にかかるリスクがあります。これらの疾病は若年層でもかかる可能性があるため、どの年齢層でも注意しておかなければなりません。
なかでも専業主婦の場合は、入院で収入に変化がないとしても、家族へ大きな負担をかけるおそれがあります。また、将来のための蓄えを減らすことはなるべく避けたいものです。現在、妊娠の予定や疾病の心配がない人でも、自分の将来のため、そして家族のために健康なうちに医療保険の加入を検討しておきましょう。
(提供: 保険見直しonline )
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