極端な低金利が続く中で、普通預金以外の資産運用を始めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。資産運用を始めるためには、お金の投資先を「短期」「中期」「長期」に分けると考えやすくなります。今回の記事では、それぞれの資産運用で検討するべきことをご説明します。

短期のお金:向こう半年~2年の生活費

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(写真=CHARAN RATTANASUPPHASIRI/Shutterstock.com)

最初に確保しておきたいのは、当面の生活費です。資産運用にお金を回しすぎて、食事や日用品に費やすべきお金がなくなってしまっては生活が成り立たなくなります。

手元に残すべき現預金の額は、どれぐらいがよいのでしょうか。もっとも分かりやすいのは「次の給料日まで生活できる程度」ですが、これでは不安だと思う人も多いことでしょう。万が一、休職や退職によって収入が減っても、当面は生きていける程度の生活費を貯蓄したいところです。

そうした点を考慮すると、手元に残す現預金の額は「半年から2年間生きていける程度の生活費」が一つの目安になるでしょう。例えば、年間300万円の生活費が必要であるとしたら、150万~600万円の現預金を残しておきます。これだけ現預金があれば、金銭的にはもちろん、精神的にもかなり余裕が出てきます。

まずは家計簿をつけて、自分の現状の生活費を把握しましょう。現預金の目標を設定するとともに、生活費の中で節約できる部分があれば、節約しておくことをおすすめします。

中期のお金:換金性の高い有価証券

現預金の次に考えたいのは、「中期のお金」としての有価証券です。株式や投資信託、債券などが挙げられます。

有価証券はお金ではありませんから、買い物や固定費の支払いに使用することはできません。しかし、有価証券を管理している金融機関に依頼すれば、数分~数日で現金へ換金できます。いざというときに短時間で換金できるのは、有価証券のメリットでしょう。

有価証券の購入を検討する際には、リスクの高低に注意する必要があります。銘柄による違いがあるため、十把一からげにはできないのですが、一般的には日本の国債がほぼ無リスクの商品であり、それに対して信用取引や先物・オプション取引、FXなどがハイリスク・ハイリターンの商品とされています。どれを選ぶのかは個々の自由であり自己責任になりますが、資産の少ない投資初心者であれば、低リスクの商品から始めるのが基本です。

長期的な資産運用として有価証券の売買を考えるのであれば、少額からの積み立て投資という手があります。「毎月5万円」のように購入金額を設定し、購入する投資信託などを決めることで、いわば定期預金のような感覚で投資を進められます。

長期のお金:資産性の高い不動産

最後に、「長期のお金」として不動産が挙げられます。アパートやマンションのような物件を購入し、時には土地の値上がりによるキャピタルゲインを狙ったり、主としては家賃収入によるインカムゲインを狙うのが不動産投資の目的です。

不動産投資の面白さは、特に家賃収入にあるといえるでしょう。自分の投資戦略や営業戦略によって、有価証券よりも長期にわたって、しかも多額のリターンを見込むことができるのです。

もう一つの面白さは、他人資本によるレバレッジを効かせられる点にあります。不動産の価格は数千万から億を超えることもありますから、住宅ローンを組んで購入するケースが大半でしょう。自己資金以上の金額を動かせるのは、不動産投資ならではのメリットです。

インフレに強いのも不動産の特徴です。インフレは、自国の通貨の価値が下落してモノの価値が上昇することです。不動産は実物資産であり、インフレが発生すると価格が上昇する傾向にあります。また、通貨の価値が下落することで、実質的にローンによる借入額と不動産価格の差が開くのもメリットとなります。

ただし、ローン返済やメンテナンス費用といったランニングコストが発生すること、災害リスクに弱いことが不動産投資のデメリットとして挙げられます。不動産はすぐに換金するのが難しいため、自己資金を投入しすぎないようにしましょう。

分散投資でリスクも分散する

資産運用というと難しく思われがちですが、短期の現預金、中期の有価証券、長期の不動産の3つに分けるとスッキリします。当面生活できるだけの現預金を残しつつ、有価証券と不動産に分散投資できるのが理想です。投資にはリスクがつきものですので、自分がどれくらいリスクを取れるのか考慮しつつ、投資先を慎重に検討するようにしましょう。

(提供:THE LIFES

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