昨日の海外時間には、引き続きポンド買いが優勢となる中、米共和党の税制改正法案に反対する可能性があったマケイン共和党上院議員が税制改正法案を支持すると発表したことから米長期金利が上昇し円売りが強まりました。
昨日の海外市場動向
欧州時間序盤、米長期金利と日経平均先物が上昇したことからドル円は112.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1800台まで下落しました。この間ユーロ円は133.20円台から132.60円台まで下落しています。
NY時間にはいって、発表された経済指標はまちまちの結果でしたが、NYタイムス紙が「トランプ大統領がティラーソン国務長官の更迭を検討」と報じたことなどからドル売りが優勢となってドル円は111.70円台まで下落し、ユーロドルは1.1930付近まで下落しました。この間ユーロ円は133.20円台まで反発しています。
その後、米共和党マケイン上院議員が、税制改正法案に支持すると発表したことから米長期金利が急上昇して円売りが強まって、ドル円は高値を更新して112.60円台まで、ユーロ円も134.10円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.1880台まで下落しましたが、1.1910台まで戻しました。
東京時間にはいって、日経平均が寄り付き直後の上昇幅を急速に縮めたことから円買いが優勢となっています。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約81%へやや上昇しました。
今日の予定
今日の海外時間にはユーロ圏・11月製造業PMI(確報値)、英・11月製造業PMI、米・11月ISM製造業景況指数、米・10月建設支出、の発表のほか、ブラード・米セントルイス連銀総裁、カプラン・米ダラス連銀総裁、ハーカー・米フィラデルフィア連銀総裁の講演が予定されています。
今後の見通し
米共和党のマケイン上院議員は、ベトナム戦争の英雄で共和党の重鎮議員ですが、今年秋共和党のオバマケア撤廃法案に反対して同法案の成立を阻んだ議員です。今回の税制改正法案にも反対する可能性が懸念されていましたが、同議員が支持を表明したことで上院での可決の可能性が高まりました。今後上院で可決されたあと、上下院の法案で異なっている点をすり合わせていく作業がありますが、大規模な減税の実施が近づいたことで米長期金利が上昇し円売りが強まりました。 一方EUからの離脱協議の進展期待で火曜日から買われているポンドですが、昨日も上昇が続きました。ポンド円は火曜日海外市場の安値147円付近から5円以上も上昇して、9月につけた152円台後半の高値に迫っています。週末を控えてポジション調整で押される可能性もありますが、交渉進展にポジティブな材料がでれば、来週も一段と上昇すると予想されます。
ユーロドルポジション継続、ドル円は利食い成立
1.1840で作ったユーロ買いドル売りのポジションを引き続き保有中ですが、損切りを1.18割れから1.1850に引き上げ、1.20付近でのの利食いを目指します。一方111.80円で押し目買いしたドル円は112.50円で利食いました。再びドル円が112円付近まで下落すれば押し目買いをしたいと考えています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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