2018年1月から始まる「つみたてNISA」。口座を開設する手続きは2017年10月からすでに始まっているわけだが、積立形式ではない「NISA」と、「つみたてNISA」があり、どちらを選べばいいのだろうかと迷っている人も多いだろう。

つみたてNISAとNISAの違い

つみたてNISA,投資
(画像=PIXTA)

つみたてNISAとNISAはどちらも少額投資非課税制度であるため、制度上、どちらか一方の口座を選ばなければならない。二つの口座を同時に開設することはできないため、すでにNISA口座を開設している場合には、つみたてNISAの口座に移行する手続きを行う必要がある。一度口座を選択したら変更できないわけではない。前年の10月から12月までに口座変更の手続きを行うことで、口座の変更が原則可能だ。また、金融機関の変更も変更する年の9月末までは可能だ。

つみたてNISAとNISAは同じ少額投資非課税制度ではあるため、同じ点もあれば異なる点もある。何が同じ部分なのか確認した上で両者の違いを比較し、どちらの口座が自分に適しているのかを考えて口座を開設した方がよいだろう。

「つみたてNISA」と「NISA」 同じ点は?

まずは同じ点から解説する。つみたてNISAとNISAでは、投資を行って利益が発生した場合には、通常であれば利益に対して20.315%の税金がかかるが、つみたてNISAとNISA口座の投資枠で発生した利益に対しては非課税になる。

「特定口座」や「一般口座」の場合には、株式投資などで損失が発生した時に他の利益と損失を相殺する(損益通算を行う)ことができる。しかし、つみたてNISAとNISAでは、購入した株や投資信託などに損失が発生しても、特定口座や一般口座の利益とは損益通算を行えないというデメリットがある。

「つみたてNISA」と「NISA」 3つの違いとは?

ポイント1:1年間の投資金額

つみたてNISAの1年間の投資金額は40万円と決められている。積立型になるので1カ月で換算すると3万3000円程度になるため、毎月の積立金額を範囲内で設定して投資を行う。

一方、NISAの1年間の投資金額は120万円と決められている。積立型ではないので、120万円を自由なタイミングで投資できるほか、投資金額も範囲内で、自分で自由に決めて投資を行うことができる。面倒でない場合には、毎月の投資金額を決めて積立型風に、日にちも決めて定期的に購入することも不可能ではない。

少額でコツコツ投資を行いたい、自分で定期的に購入することが面倒という人はつみたてNISA。自分の好きなタイミングで、自由に投資を行いたいという人はNISA。

ポイント2:投資できる金融商品の種類

つみたてNISAでは、あらかじめ定められた要件を備えた投資信託、ETF(上場投資信託)に投資を行う。長期の積立や分散投資に適していることとされているため、運用手法はインデックス型を基本としつつ、アクティブ型の場合は、信託設定以来5年以上経過し、販売手数料はノーロードで、信託報酬は決められた一定の水準以下、信託契約期間が無期限または20年以上、分配頻度が毎月でないことなどが主な要件としてあらかじめ定められている。具体的な金融商品を知りたい場合には、金融庁のホームページの「つみたてNISAの対象商品」で確認することができる。

金融庁:つみたてNISAの対象商品

一方、NISAでは、上場株式や投資信託、ETF(上場投資信託)などに投資を行うことができる。なお、つみたてNISAとNISAのどちらも、口座を開設した金融機関によって取り扱っている金融商品は異なるので、事前に確認はしておく必要がある。

投資先を選ぶことが面倒なのであらかじめ絞ってある方がいい場合や、上場株式などへの投資に不安を感じている人はつみたてNISA。上場株式など、自分で自由に投資先を選びたいという人はNISA。

ポイント3:運用期間

つみたてNISAは積立型になるため、最長20年間(口座開設期間は2018年から2037年まで)投資を行うことが可能になる。1年間の非課税投資額が40万円なので、20年間では総額800万円まで投資することが可能だ。

一方、NISAでは、最長5年間(口座開設期間は2014年から2023年まで)投資を行うことができる。1年間の非課税投資額が120万円なので、5年間では総額600万円まで投資することが可能だ。

年間の投資金額は少ないけれども、コツコツ長い時間をかけて投資したい人はつみたてNISA。短期間でサクッと利益を得たい人はNISA。

なお、NISAには、2016年から始まった、未成年を対象にした「ジュニアNISA」口座がある。①0~19歳までの未成年者であれば、②年間80万円まで、投資することができる。ただし、18歳まで原則払い出しができない他、金融機関を変更できないというデメリットがある。

「つみたてNISA」と「NISA」どちらか?

NISAとつみたてNISAでは、そもそも投資できる金融商品や、積み立てか否かという投資手法に違いがある他、投資できる1年間の金額、そして投資総額も異なる。強制か自分で行うかは別として、投資金額の範囲内であればどちらも少額で始められる。

利益が発生すれば非課税の恩恵を受けられるが、損失が発生すれば損益通算を行えない。口座を選ぶポイントとして重視するのであれば、投資できる金融商品と、投資手法になるだろう。急ぐ必要はないので、自分に合う口座をじっくりと見極めて開設をすることをおススメする。つみたてNISAとNISAの口座を使った運用法について、次回以降で解説したい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行、講演活動、株塾を行う。公式サイト「横山利香の資産運用コンシェルジュ

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