「保険に加入したいのですが、どうすれば良いのでしょうか?」
「保険を見直したいのですが、何を見直せば良いのか分かりません」

私はファイナンシャルプランナーとして、上記のような質問を受けることが多いです。相談者は保険の必要性、あるいは見直しの必要性を感じているのですが、何となくぼんやりとして、はっきりしない質問が多く、時間をかけて話し合いながら「その人にとって」最適な保険商品を探ります。

私たち消費者にとって保険選びは切実な問題です。 しかし、難しいのは「すべての人にとって」最適な保険商品は存在しないことです。保険選びの判断基準は人それぞれで、100人いれば100通りのニーズがあるといっても過言ではありません。

保険は、金融商品の一種です。その仕組みは複雑なものが多いうえ、前述のように様々なニーズに対応するためにたくさんの種類があります。毎年何十種類の保険商品が登場する一方で、販売中止となる保険商品もあります。たとえ、「保険のプロ」と呼ばれる人でも、そのすべてを正確に把握するのは難しいのではないでしょうか。

無料相談で「公正中立なアドバイス」を受けることができるか?

また、「同じジャンルの保険商品」であっても、条件や保障内容が少しずつ違っていて、単純に比較できないものが多いです。そんな複雑な商品を一般の消費者が理解するというのは「至難のワザ」と言わざるを得ません。

そこで誰かに「相談する」ことになるわけですが、具体的に相談する相手としては保険のプロ、保険の相談員、保険の営業員、ファイナンシャルプランナー等となります。誰に相談しようかとインターネットなどで検索すると「無料相談」という素敵なコピーに出会うことがあるかも知れません。

上記の人たちの中には、本当に無料で親切にアドバイスをしてくれる人も多いことと思います。「将来、こんなことが心配ではありませんか?」と消費者の目線に立って、あれこれ心配してくれます。消費者の中には様々な気づき(心配)を得る人も多いことでしょう。そのうえで保険商品の具体的な提案を受けることもできます。それらがすべて「無料」で受けることができるのです。素晴らしいですね!

しかし、残念ながらそれらすべてのアドバイスが消費者にとって必ずしも「公正中立」とは言い切れない側面もあるのです。

保険の「無料相談」はボランティアではない?