いよいよ年の瀬も押し迫り、クリスマス商戦もたけなわ。小売業界は一種の慌ただしささえ感じさせるほどの活況を呈している。クリスマスの恩恵を受けそうな銘柄をピックアップしてみた。

「酒のやまや」の看板が目を引く「やまや」、子会社にはチムニー

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(画像=PIXTA)

このシーズンには家の中でも外でも、お酒を飲む機会が多くなる。クリスマスにはいつにも増してシャンパンやワインが恋しくなるし、プレゼントに高級洋酒を選ぶ人も少なくない。「酒のやまや」と大書された看板が目を引く「やまやグループ(やまや <9994> 」は、東北を地盤に、酒類・食料品の小売・卸売、通信販売、外食事業などを全国展開している。

2013年12月には「花の舞」「魚鮮水産」などの屋号で外食事業を手がけるチムニーを連結子会社とし、2017年6月末現在のグループ総店舗数は、全国47都府県で1074店舗に達している。

また、グループ企業のやまや商流株式会社を中核に置く直輸入・直販の「ワールドリカーシステム」は、食文化の国際化が加速する中にあって、欧米、アジア、豪州などの海外メーカーと緊密な取引関係を築くことに成功している。

このシステムの特徴としては、国内の中間流通ルートを通さず、海外メーカーから直接に大量仕入を行っていることや、商品の保管・流通を効率よくコントロールする流通システムが完備していることなどが挙げられる。

海外から到着した商品は直接大型トレーラーによって陸送され、オートメーション化の徹底した保税倉庫に保管される。在庫データに基づく通関手続きを同社自らが行っている他、各店舗や得意先からの受注データにより自動的に商品がピッキングされ、ただちに出荷、配送が行われる仕組みになっている。

こうした物流システムがハイレベルな流通の合理化を実現している結果として、顧客に対するより廉価な商品提供が可能となっているのだという。

今年のクリスマスプレゼントの本命はやっぱり「スイッチ」?――「任天堂」

1889年創業の老舗企業である任天堂 <7974> は、娯楽に関する様々な事業を展開しており、とりわけ花札やトランプは創業初期から現在に至るまで製造・販売が続けられている。1970年代後期からは家庭用や業務用のコンピュータゲーム機の開発を手掛け、1983年に発売された家庭用ゲーム機の「ファミリーコンピュータ」は、「スーパーマリオブラザーズ」の世界的な大ヒットと相まって、同社のイメージをゲーム機やゲームソフトを開発・製造する会社へと一変させた。

ところで今年のクリスマスプレゼントの本命の一つとして、やはり3月に発売された「Nintendo Switch」を忘れるわけにはいかないだろう。売り出されると同時に品薄状態となり、今も相変わらず購入の前には在庫の確認が必要とされているのだという。

「Nintendo Switch」は3つのモードで楽しめる。テレビにつなぐ「TVモード」では、迫力ある大画面で本格的にゲームを楽しんだり、家族や友人同士のホームパーティなど、リビングに集まってゲームを楽しんだりすることができる。

また、「テーブルモード」では本体背面のスタンドを立てて、外出先などテレビのない場所でも、コントローラーを分け合い、画面をシェアして、対戦や協力プレイを楽しむことができる。さらに「携帯モード」では、通勤や通学の移動中など、場所を選ぶことなく、いつでも気軽にゲームをプレイすることができる。

「スプラトゥーン2」や「マリオカート8 デラックス」などのソフトでは、持ち寄った本体を最大8台までローカル通信でつなぐことができ、対戦や協力などのマルチプレイが楽しめる。さらに「Nintendo Switch Online」に加入すれば、遠隔地の友人や世界中のプレイヤーとも、対戦・協力プレイが楽しめる。このサービスは有料なのだが、2018年の正式スタートまでは無料で体験できるという。このほか、スマートフォン向け専用アプリと連動させて、待ち合わせしたりボイスチャットをしながらプレイしたりすることもできるという。

ハード面での遊び心も満載だ。例えば「マリオカート8 デラックス」ではオフロードの走行感やドリフトの加速感が、「スプラトゥーン2」ではブキ(武器のこと)の使用感はもとより、イカの姿になってインクの中を泳いでいるときの感覚さえもが、コントローラーの「Joy-Con」に内蔵された「HD振動」によって、映像や音響だけからは得ることのできない臨場感を伴って体験できるという。

また、「Joy-Con」に内蔵された「モーションIRカメラ」は、カメラが捉えた物の形や動き、距離を読み取ることを可能にした。

コジマやソフマップ、日本BS放送などを抱える――「ビックカメラ」

ビックカメラ <3048> は1968年、群馬県高崎市に設立された株式会社高崎DPセンターが原点。やがてカメラ及び関連商品の販売部門が分離され、1980年には池袋駅北口の店舗を本店とする株式会社ビックカメラが設立されることになる。

その後はビジュアル製品、オーディオ製品、パソコン、OA機器、携帯電話、家電製品、時計、ゲーム、メガネ・コンタクト、医薬品、玩具、スポーツ用品、寝具、酒類に至るまで取扱商品を次々と拡大し、「都市型」、「駅前」、「大型」をキーワードとした店舗出店やインターネットショッピング事業の展開を進めている。

また、子会社にはロードサイド型店舗を運営するコジマ <7513> や、リユース事業・サポートサービス事業を強みとする株式会社ソフマップ、衛星放送の日本BS放送 <9414> などがある。

「ビックカメラ」のブランドで展開しているのは38店舗、「コジマ」、「コジマ×ビックカメラ」および「コジマアウトレット」のブランドが139店舗、パソコンを中心に広くデジタル機器の販売・サービスや中古パソコン等の販売・買取を行っている「ソフマップ」のブランドが23店舗などとなっている。また都市型のアウトレット店や携帯電話ショップ、酒類。飲食物の販売店、寝具の製造販売店などが幅広く展開されている。

同銘柄は株主優待が充実していることもあって、個人投資家にも人気が高く、また今年のクリスマスプレゼントの目玉でもあるLINEのAIスピーカー「Clova WAVE」「Clova Friends」を取り扱っていることからも、動向が見逃せない銘柄のひとつになっている。

ケーキといえば「不二家」

不二家 <2211> の創業は1910年に遡る。「クリスマス」と聞くと不二家を連想するのは、あながちクリスマスケーキのイメージのせいだけではないだろう。不二家の店舗や商品群に、どこかクリスマスを思い浮かべるような、ほんのりと温かみを持ったカラーリングが貫かれているからなのかもしれない。

実際同社のポリシーには常に「家族」という視点が重視されており、お菓子のことを「家族をつなぎ、家族の幸せや笑顔を運んでくれる大切なコミュニケーションツール」であると位置づけている考え方が、そこかしこに伺われるからだ。

同社の事業の中核をなすのは、明治時代から100年以上続く不二家創業の事業でもある「洋菓子事業」だ。

具体的には洋菓子の製造販売と「不二家洋菓子店」の運営で、日常のおやつから誕生日向けのお祝いのケーキ、ギフト菓子等、バラエティ豊かな商品構成が揃えられている。スーパーやコンビニエンスストア向けの洋菓子も数多い中、主力商品にはショートケーキ、チョコ生ケーキ、ペコちゃんのほっぺ、スコッチケーキなどがある。

一方、スーパーやコンビニエンスストアなどで発売される、キャンディやチョコレート、クッキーなどの菓子の製造、卸売を行っている「菓子事業」は、多くのブランドやヒット商品を持ち、児童から大人まで幅広い顧客の支持を得ている。主力商品にはミルキーやルック、カントリーマアム、ホームパイなどがある。

また、缶やPETボトル、チルド飲料の卸売を行っている「飲料事業」では、ネクターに代表される個性ある飲料を手がけており、主力商品にはそのネクターのほかにレモンスカッシュなどがある。さらにはペコちゃんのキャラクターグッズを企画・販売する不二家ネットショップ「ファミリータウン」の運営のほか、ペコちゃんのライセンス管理を行っている「通販・キャラクター事業」も展開している。

業界で初めて「花の宅配システム」を導入――「日比谷花壇」

日比谷花壇 <3041> の創業は1872年、東京都葛飾区の堀切に庭園業が開始されたことに遡る。1944年には帝国ホテルに出店、パーティー会場向けの装花スタイルが確立された。ブライダルのブーケなどを初めて日本に紹介したり、披露宴で花束贈呈のシーンを発案したりといった斬新な着想が次第に人気を呼んだ。

1947年には日比谷花壇の前身である「有限会社 芳梅園」が設立され、1950年には日比谷公園店が出店される。そして同年の12月には「株式会社 日比谷花壇」が設立された。戦後東京の復興計画の一環として、「憩いの場である公園に、海外の例を習ってフラワーショップを」といった趣旨の、時の都知事からの要請がきっかけだったのだという。

1983年にはカタログによる通信販売が開始され、業界で初めて「花の宅配システム」が導入される。その後同社は、通信販売のノウハウの確立とともに販売チャネルの多角化に成功。現在のEコマース事業の礎が築かれることになる。

現在全国約200店舗で展開されている同社の事業は、「イベントプロデュース」、「ウエディングフラワー」、「ECにおけるフラワーサービス」、「ダイレクトマーケティング」、「フラワーショップの経営」、「フラワーギフト/フラワーデザインの企画、制作、販売」、「フューネラル」、「各種スペースデザイン/ディスプレイの企画、設計、施工」、「各種屋内緑化の企画、設計、施工」、「生花卸販売ならびに関連商品の輸入販売」などなど。きわめて多岐にわたっている。

クリスマス向けの商品としては、そのまま飾れるブーケ「くまサンタのブーケ」や、香りと光を楽しむ「フレグランスジェルライト」セットなどが人気を集めているという。前者は日比谷花壇でしか買えないということで、丸いピンポン菊に耳や目をつけてサンタの帽子を被せ、赤やピンクの花々に囲まれたキュートな「くまサンタ」を演出している。手入れが簡単なスタンディングタイプのブーケで、アレンジメントのようにそのまま飾ることができる手軽さが好評なのだという。

また後者は、ドライフラワーが入ったオシャレな日比谷花壇オリジナルのフレグランスジェルライトで、ジェルからほのかに香りが広がり、優しい光が静かに部屋を彩るという演出だ。スイートローズの香りとレモングラスの香りのセットで、芳香期間は使用環境により異なるものの、約2ヵ月だという。

プレゼントといえば玩具――「タカラトミー」

タカラトミー <7867> は1924年に創業、90年にわたる歴史を持つ。玩具と乳幼児製品の企画・開発・製造を行っていることで知られている。

同社の代表的な商品を見てみよう。1970年に販売が開始された「トミカ」は、日本初の手のひらサイズのダイキャスト製国産車ミニカーだ。すでに880種超の車種を持ち、総販売数は6億個以上にのぼるという。

また、2017年に誕生から50周年を迎える着せ替え人形の「リカちゃん」は、累計販売数が6000万体以上におよぶヒット商品となっている。さらに実在する車両の鉄道玩具として人気が定着している「プラレール」は、発売50年を超えるロングセラーで、累計1300種超、1億5500万個以上が販売されている。

一方、日本で生まれた世界的な玩具として、TOMY Internationalの「トランスフォーマー」も見逃せない。既に130ヵ国以上の国と地域で展開されている世界的なシリーズで、累計販売数は5億個以上にのぼるという。また、おなじみのポケモンについてもグローバルトイライセンスを取得、TVアニメは90ヵ国以上で放送されているという。

ドンキに行けばなんでもそろう?――「ドンキホーテHD 」

ドンキホーテホールディングス <7532> を中心としたドンキホーテグループ。中長期の経営目標として、東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定の2020年を達成年度とした「ビジョン2020」において、売上高1兆円、店舗数500店、ROE15%を目標に掲げている。

同グループが目指すのは、時間消費型小売業「ドン・キホーテ」によるオンリーワン戦略の推進や、ファミリー向けディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ」「New MEGAドン・キホーテ」による客層拡大の加速などだ。

同社は1989年の1号店開店以来の28期間、途切れることなく連続増収営業増益を達成しているという。時間消費型小売業「ドン・キホーテ」をオンリーワンの存在とすべく、「コンビニエンス+ディスカウント+アミューズメント」の三位一体を店舗コンセプトにしており、食品、日用品をはじめ、雑貨、衣料品、家電製品、ブランド品、バラエティグッズまで、約4~6万点のアイテムを取り揃えている。

さらに「豊富な品揃え」と「驚きの安さ」をコンセプトに開発した、日本初の「ファミリー型総合ディスカウントストア」とも言える、売場面積が平均約9000平方メートル、取り扱いアイテム数6~10万点の「MEGAドン・キホーテ」や、売場面積が平均約4000平方メートル、取り扱いアイテムは4~8万点と、MEGAよりも規模が小さめで、生鮮食品の割合を減らし、日用消耗品や加工食品に注力するなど、より収益性・効率性を重視した「New MEGAドン・キホーテ」といった業態にもチャレンジしている。

2009年10月に誕生した同社のPBである「情熱価格」も、顧客からの支持率が期を重ねるごとに高まってきているという。現在、同社グループの売上高全体に占めるオリジナル商品の構成比率は11.0%だが、こうしたオリジナル商品の拡充は利益率の向上に大いに貢献するものと思われる。

クリスマスや年末年始のイベント時には、常に店内が人で賑わっているという年末商戦関連銘柄の常連として見逃せない存在だ。

クリスマスといえばチキン。鶏肉生産の大手――「アクシーズ」

アクシーズ <1381> は、KFC(日本ケンタッキー・フライド・チキン <9873> )や食肉卸向けの鶏肉生産の国内大手で、飼料製造から飼育、加工まで一貫して手掛けているのが強みだ。KFCやピザハットなどのフランチャイズ店を自社で運営していることも特色の一つであり、クリスマスシーズンに注目される銘柄の代表格に挙げられるだろう。

同社は、「良質で美味しく安全な鶏肉及び鶏肉加工食品を低価格で提供する」ことを目的に、飼育や加工から飼料製造に至るまでを含めた全ての工程を自社企業内で行っている。鶏肉製造のための一貫生産を構築しているわけで、その結果、生産される製品の全てについてのトレーサビリティが確立している。こうした独自の生産体制と各工程における高度な技術力によって、完全な「無薬鶏」の生産が実現されているわけだ。

同社のルーツは、1962年に採卵鶏の育種改良及びその雛の孵化販売を目的とする株式会社伊地知種鶏場が設立されたことにある。1965年には独自に改良した育種による鶏肉加工事業に着手、1967年には傘下の委託農家による肥育施設を展開し、ブロイラーの飼育生産を開始することになる。

1977年には日本KFCと販売契約を締結し、川上工場をスーパーマーケット向け鶏肉加工工場からKFC向けの専用工場に設備改修を行っている。また1983年には日本KFCとフランチャイズ契約を締結し、第1号店としてKFC下関店を開店した。

数多い同社製品の中でも、広く支持を得ている代表格が「薩摩ハーブ悠然どり」だ。直営農場において、鶏にストレスを極力かけないよう一貫した管理体制の下に飼育がなされている。抗生物質や抗菌製剤が無添加のペレット飼料の使用が可能となり、臭みが少なく、鶏肉本来の甘さが引き出されている上に、ビタミンも一般のブロイラーに比べて豊富になっているのだという。(ZUU online編集部)