フォーチュン誌が毎年発表している国際企業番付「フォーチュン500」 で、8位から5位に浮上したトヨタを筆頭に、日本の企業7社がトップ100で大幅に順位をあげた 。

最も収益が高かった企業のトップ4は昨年から引き続きウォルマート、国家電網、中国石油化、中国石油天然気集団が維持したが、そのほかは全体的に変動が見られる。バークシャー・ハサウェイやフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ、ホンダモーター、AT&T、Amazonなどが順位をあげた一方で、ロイヤル・ダッチシェル、サムスン、ダイムラー、中国建設銀行、鴻海精密工業などは軒並み順位を落とした。

ランキングは2016年3月末までの会計年度 の決算報告に基づいて作成されている(国・地域の分類はフォーチュンによる)。

収益が最も高いフォーチュン500国際企業30社

30位(24位) トータル(フランス) 1279億ドル
29位(36位) ホンダ(日本)モーター 1291億ドル
28位(22位) 中国建設銀行(中国) 1350億ドル
27位(25位) 鴻海精密工業(台湾) 1351億ドル
26位(44位) Amazon.com(米国) 1359億ドル
25位(33位) AXA(フランス) 1437億ドル
24位(27位) 中国建築股?有限公司(中国) 1445億ドル
23位(28位) アメリソース・バーゲン(米国) 1468億ドル
22位(15位) 中国工商銀行(中国) 1476億ドル
21位(21位) フォード・モーター(米国) 1518億ドル

20位(19位) EXORグループ(オランダ) 1548億ドル
19位(23位) AT&T(米国) 1637億ドル
18位(20位) ゼネラルモーターズ(米国) 1266億ドル
17位(16位) ダイムラー(ドイツ) 1694億ドル
16位(14位) グレンコア(スイス) 1738億ドル
15位(13位) サムスン(韓国) 1739億ドル
14位(18位) CVSヘルス(米国) 1775億ドル
13位(17位) ユナイテッドヘルス・グループ(米国) 1848億ドル
12位(10位) BP(英国) 1866億ドル
11位(12位) マクケッソン・コーポレーション(米国) 1924億ドル

10位(6位) エクソンモービル(米国) 2050億ドル
9位(9位) Apple(米国)  2156億ドル
8位(11位) バークシャー・ハサウェイ(米国) 2236億ドル
7位(5位) ロイヤル・ダッチシェル(オランダ) 2400億ドル
6位(7位) フォルクスワーゲン(ドイツ) 2404億ドル
5位(8位) トヨタ(日本) モーターズ 2546億ドル
4位(4位) 中国石油化工(中国) 2625億ドル
3位(3位) 中国石油天然気集団(中国) 2675億ドル
2位(2位) 国家電網(中国) 3151億ドル
1位(1位) ウォルマート(米国) 4858億ドル

トヨタ、ホンダ、日本郵政、日産、NTTなど7社が収益アップ

トップ4は昨年から不動だが、中国勢の収益は昨年と比べて大幅に減っている。国家電網は1.4億ドル減、中国石油天然気集団と中国石油化工は各3.1億ドル減だ。

日本からはトヨタモーターズが1.8億ドル増で8位から5位に、ホンダモーターが7500万ドル増で36位から29位に順位をあげた。トップ100では日本郵政(37位→33位)、日産(53位→44位)、NTT(60位→50位)、日立(79位→71位)、ソフトバンク(92位→72位)が大きく飛躍している。

自動車メーカーは総体的に収益を増やしており、2015年の排気ガス不正で信用が地に落ちたと思われていたフォルクスワーゲンですら、収益を3.2億ドル増やしている。同社は2016年、新車販売台数で世界一の座を獲得。特に欧米市場でスキャンダルの影響がやわらいできたことに加え、主力ラインであるSUV「ティグアン」の新モデルが売上増加に貢献している。

トップ30最多国は米国、中国・ドイツ・韓国など10カ国の企業がトップ30入り

トップ30最多国は12社がランクインした米国。3ランクアップしたバークシャー・ハサウェイのほか、マクケッソン・コーポレーション、ユナイテッドヘルス・グループ、CVSヘルスなどが上昇。

中国からは6社、ドイツとフランス、オランダ、日本からは各2社、韓国、台湾、スイス、英国からは1社がトップ30入りを果たした。

ランクダウンしたのはエクソンモービル、ロイヤル・ダッチシェル、BP、ダイムラー、EXORグループなどだ。

収益2倍増のセンティン、中国五鉱集団公司、SKホールディングス

トップ500中最も順位の変動があった企業は米国のヘルスケア企業センティンで、470位から244位と226ランクもアップした。収益は227億ドルから407億ドルとほぼ2倍に増えている。

次いで中国五鉱集団公司が203ランクアップし、323位から120位へ。収益は336億ドル増で654億ドルとこちらも倍増だ。

韓国のSKホールディングスも294位から95位に跳躍。収益は375億ドル増の725億ドルと驚異的な伸びを見せた。

日本最大の雇用企業は日本郵政

フォーチュン500企業が2016年に叩きだした収益は合計27.7兆ドル、利益は1.5兆ドル。その大部分が欧米とアジアに集中している。

収益では9位のAppleだが、利益は456億ドルと首位に。中国工商銀行は418億ドル、中国建設銀行は348億ドル、中国農業銀行は276億ドル、中国銀行は247億ドルと、中国の金融機関が上位を占める。

世界最大の企業資産を所有しているのは中国工商銀行で、総資産額は3.4兆ドルにものぼる。ファニーメイが3.2兆ドル、中国工商銀行が3.0兆ドル、中国農業銀行が2.8兆ドル、そして三菱UFJフィナンシャル・グループが2.7兆ドルと続く。

従業員数 では世界に230万人を雇用するウォルマート、151万人の中国石油天然気集団、94万人の中国郵政、92万人の国家電網、72万人の鴻海精密工業など。日本では日本郵政が24万人で最も多い。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)