言語や音楽など、他の地域とは異なる文化が根付く沖縄。伝統料理や家庭料理にも独自色の強いメニューが多く存在します。今回は、一風変わった沖縄料理や沖縄の食文化について見ていくことにしましょう。

沖縄料理で使用頻度の高い豚肉

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(写真=PIXTA)

沖縄では、古くから豚肉が好まれていました。豚肉は琉球料理に使用される食材の中心的な存在で、「豚に始まり豚に終わる」という言葉もあるそうです。耳や足に加え、内蔵・血液までもさまざまな料理に使われます。

豚肉料理が沖縄で食されるようになったのは今から約600年前のことです。琉球王朝と交易関係にあった中国から豚肉文化が流入し、使者のおもてなし料理に使われるようになりました。その後に琉球王朝は終焉を迎えましたが、豚肉を好んで食べる慣習は絶えることなく、今日に至るまで長きにわたって続いています。

豚肉を使った沖縄料理の中で代表的なメニューの1つがチャンプルーです。沖縄言葉で「ごちゃ混ぜ」を意味するチャンプルーは、豚肉をはじめ野菜や豆腐など色々な食材を炒めて作る料理。ゴーヤ入りの炒め物は「ゴーヤチャンプル―」、素麺と合わせると「ソーミンチャンプルー」と呼ばれるなど、炒める食材で名称が変わるのが特徴です。

また、小麦粉麺にかつお節と豚骨からとった出汁を入れた「沖縄そば」、細くストレートな麺を使った「八重山そば」など、沖縄で人気の麺料理にも豚の三枚肉(皮がついたままの豚バラ肉)がトッピングされており、幅広いメニューに豚肉が使われていることが分かります。

沖縄の食卓に欠かせない〇〇豆腐

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(写真=PIXTA)

豚肉同様に沖縄料理を代表する食材、豆腐。「豆腐の島」との呼び名があるほど、沖縄では豆腐が多く食べられています。沖縄の豆腐は本土ではあまり見られないような珍しいものが多く、バリエーションも豊かです。そのままはもちろん、揚げたり炒めたり煮たりとさまざまな食べ方で楽しめます。

沖縄の豆腐を語る際に外せないのが「島豆腐」と「ゆし豆腐」です。島豆腐の方は硬めに作られていて水分量が少なく、素材の旨味が感じられます。調理方法が幅広く、チャンプルーに使う豆腐は島豆腐に限る、という沖縄県民も多いよう。一方、若干固まった柔らかな状態の豆腐はゆし豆腐と呼ばれ、一般的には「ゆし豆腐汁」として味噌汁に入れて味わいます。沖縄そばの上にゆし豆腐をのせた「ゆし豆腐そば」も人気の味です。

また琉球王朝のころに中国から伝わった「豆腐よう」は、島豆腐を泡盛や紅麹などに漬けて発酵させる珍味です。独特な香りと味、そしてねっとりした口当たりで、お酒と良く合います。同じく酒のアテに最適なのが、ピーナッツを搾った汁と芋くず(サツマイモに含まれているでんぷん)で作った「ジーマーミ豆腐」です。こちらは豆腐といっても大豆は使われていません。食べる際にかけるタレを変えるとデザートとしても楽しめる逸品で、モッチリした食感と香ばしいピーナッツの香りがクセになります。

日本全国で親しまれている料理に似たものも

独自に発展を遂げた食文化が目立つ沖縄ですが、日本中で以前から食されている料理とよく似たものもあります。

三枚肉を泡盛などで長時間かけて煮込む「ラフテー」は、琉球王朝時代に中国から伝わった「トンポーロー」をもとに確立された料理です。俗にいう豚の角煮と似た品ですが、その調理時間の長さから、沖縄ではお祝いの席や人が多く集まる機会に作られる、特別な伝統料理として認識されています。全国的に豚足と呼ばれる豚の足も、沖縄では「テビチ」の名称で親しまれる人気の豚料理です。

このほか、メインの豚肉とともに人参・ひじきなどさまざまな具材を入れた炊き込みご飯「ジューシー」、さっくりとしたドーナツのような揚げ菓子「サーターアンダギー」など、日本全国で食べられている料理に通じる料理も多数あります。

豚肉と豆腐を使用する頻度が高い沖縄料理。今回紹介した以外にも「海ぶどう」や「イラブー(エラブウミヘビ)」といった、まさに沖縄ならではの食文化が根付いている一方で、日本中で見られる料理とよく似た料理も多くあります。琉球と日本、どちらの味も楽しめるのは沖縄ならではといえるでしょう。(提供:JIMOTOZINE)