同じ日本であるのにも関わらず、長い歴史の中で独自の文化を発展させてきたのが沖縄です。県外の情報が入るようになり、移住者も多くなった現在でも、沖縄の人々は独特な風習や習慣を続け「沖縄らしさ」を大切に守っています。沖縄に行く前に予習しておきたい、「沖縄あるある」を紹介します。

外で見かける沖縄ならではの風習

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(写真=PIXTA)

初めて沖縄へ訪れた人は、感動的な景観や温暖な気候に心を奪われると同時に、沖縄でしかみられない不思議なものを次々と発見してしまうでしょう。

・壁に張り付く「石敢當」
住宅街を歩いていると、よく目に入るのが「石敢當(いしがんとう)」の3文字。道路の塀や住宅の表札、住宅の外構部分などにみられるこれは、いわゆる「悪魔除け」のために設置されています。

沖縄にいる悪魔は「直進しかできない」ため、T字路の突き当りに石敢當を設置し、住宅内に悪魔が入るのを防いでいるのです。しかもこの石敢當にぶつかってしまった悪魔は砕けてしまうのだそう。石敢當は県民にとって大切なお守りの一種なのです。

・大通りには奇妙な横断幕がある
住宅街を抜け大通りを歩いていると、手作りの横断幕が目につきます。よくみると、同窓会の連絡事項が書かれています。日時、開催場所、さらには幹事の個人的な携帯番号まで丁寧に記載。「面白キャッチコピー」が書かれているものも多く、同窓会に関係のない人まで楽しい気持ちにさせてくれる風習です。

これって沖縄だけ?日常に潜む沖縄あるある

歩き疲れて、お店で一休み。するとここでも沖縄独特の文化が目につきます。

・おしぼりをたたんでコースターにする
居酒屋に入りあたりを見回すと、なぜかおしぼりがきれいに畳まれコースター代わりに使われています。沖縄の人たちは、もらったおしぼりをきれいに四角くたたみ、コップの下に敷いて使うのです。

その理由はとても合理的で、湿度の高い沖縄ではコップの表面につく水滴の量が多く、コースターでは吸水しきれないからおしぼりを利用しているのです。

・宴会前の「うちなータイム」では実際何をしているの?
沖縄人といえば、独特の時間感覚を持ち、約束の時間から大幅に遅れてくることで有名です。これを「うちなータイム」と呼びますが、宴会前のうちなータイムで沖縄県民は一体何をしているのでしょうか?

実は、多くの人が「シャワーを浴び、軽く夕食を済ませている」というのだから驚きです。約束の時間を遅らせるか、間に合うようにシャワーを浴びればよいのでは?と考えてしまいますが、沖縄県民はこれでバランスが取れているのです。

・「模合」の風習が独特すぎる
沖縄独自の文化である「模合(もあい)」とは、仲間数人で毎月決められた金額の現金を持ち寄り、その月の「親」となる人に集まったお金をすべて渡すというものです。

お金を受け取る親は順番が決められており、毎月変わります。グループによっては、親に渡さず積み立て、年に一度の旅行や毎月の飲み会代として利用することもあります。沖縄ならではの助け合いの精神と温かさを感じる風習です。

マイナーな沖縄の食文化といえばこの2つ!

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(写真=PIXTA)

沖縄グルメといえば、豚足にミミガー、チャンプルーにソーキそば。どれをとっても今や全国区のグルメとなりましたが、沖縄にしかない食文化といえばこの2つです。

・「ぜんざい」が氷まみれ
沖縄以外のぜんざいは、白玉団子にあたたかい小豆がのった日本伝統の甘味です。しかし沖縄で「ぜんざい」を注文すると、おどろくことにかき氷が出てきてしまいます。

一見、ただの雪山のようなかき氷を掘り進めていくと、中には小豆ではなく甘く煮た金時豆と白玉が入っています。お店によっては黒蜜が入っていたり、氷の上に芋パウダーがかけられていたりと各店舗によって見た目も味も異なります。

・みそ汁の器が異様に大きい
「みそ汁は家庭の味」という固定概念は、沖縄の「みそ汁(みそじる)」によって崩れ去るでしょう。県内の食堂では、ごはんとみそ汁のセットでおおよそ400~600円という低価格で提供されています。出てくるみそ汁の器はなんとどんぶりで、具材はランチョンミートやキャベツ、海藻など、なんとも具沢山です。入っている肉がランチョンミートのため豚汁とも言い難く、これぞ沖縄独自グルメと言えるでしょう。

このように、街を歩いてもお店に入っても楽しめる「沖縄あるある」。沖縄を訪れた際にはぜひ実際に体験してみてください。(提供:JIMOTOZINE)