金曜日の海外時間には、NYダウが一時直近の安値を割り込んで下落したことからリスク回避の動きで円買いが強まりました。しかしNY時間終盤に株価が大きく反発すると円は売り戻されました。

金曜日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、欧州株が下落したことからユーロ売りが強まる中、米長期金利が低下して円買いも強まって、ユーロドルは1.2220台まで、ユーロ円は133.10円台まで、ドル円は108.70円台まで下落しました。

NY時間序盤、一旦欧州株と米長期金利が反発したことからユーロドルは1.2280付近まで、ユーロ円は133.90円台まで、ドル円は109.20円台まで反発しました。その後NYダウは、寄付き直後前日比プラス300ドル以上上昇しましたが、ほどなくして下落を開始、NY時間午後にはいると下落幅を拡大して前日比約500ドル安まで下落しました。その間米長期金利が低下したこともあって、リスク回避の円買い、ドル買いが強まって、ドル円は108.00円台まで、ユーロ円は131.90円台まで、ユーロドルは1.2200台まで下落しました。

NY時間引けにかけて、NYダウは急速に上昇し、結局前日比330ドル高で引けたことから、リスク回避が後退して、円とドルが売り戻され、ドル円は108.80円台まで、ユーロ円は133.40円台まで、ユーロドルは1.2240台まで反発しました。

週明けの東京時間には原油相場が上昇していることもあってややドル売りが優勢となっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは72%にやや低下しています。

今日の予定

今日の海外時間には、主要な指標の発表などの予定はありません。

今後の見通し

注目されていたNYダウは、一時この直近の安値を割り込んで前日比約500ドル下落しましたが、取引時間終盤に約1000ドル上昇、結局前日比330ドル高で引けました。為替市場はこの動きを睨んだ動きとなりましたが、ドル円の戻しは株価の戻しに比べて鈍くなっています。また「政府、日銀総裁に黒田氏再任」と報じられて、やや円売りが強まりましたが、すぐに買い戻されています。 株価の反発に、為替市場の反応が鈍いのは、曜日別で見たときとNYダウは月曜日が最もパフォーマンスが悪い曜日(唯一マイナス)ということもあって、週明けに再び大きな下落があるのでは、という懸念もあるのかもしれません。

デイトレードに徹する

引き続き株価の動きを睨んだ取引が続くと考えられます。そう考えると、中期的なトレンドを狙った取引よりも、短期的にその時の動きについて売買する、いわゆるデイ・トレードをする必要があります。基本的には、ユーロ円などで、ドイツ株やNYダウの現物の寄付きからの動きを見て、株価が下落する時には円買い、株価が上昇する時には円売りのポジションを作ってある程度利が乗れば利食うという事をする必要があります。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。