定年後や退職後など高齢になってから民間の医療保険に加入し、治療費に備えるという方も多いのではないでしょうか。年齢とともに病気にかかるリスクが上がるのは統計資料からも明白となっています。この記事では、高齢になると病気や入院するリスクは高まるのか、実際の医療費はどのくらいかかるのか、民間の医療保険に加入して老後に備える理由を説明します。

高齢になると病気にかかるリスクは高まるのか?

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(画像=Billion Photos/Shutterstock.com)

日本に住むどのくらいの人が入院や通院をしているのか、厚生労働省から発表された「平成26年患者調査の概況」で調べてみました。調査日に全国の医療施設で受療した推計患者数は、入院約131万人、外来約723万人でした。入院推計患者のうち、65歳以上が約93万人、75歳以上が約66万人となっています。外来推計患者は65歳以上が約351万人、75 歳以上が約189万人でした。

65歳以上になると入院患者も外来患者も増えることがわかります。保険に加入できなくなるような病気にかかる前に、高齢になってからの病気の治療費に備えて、民間の医療保険で備える必要があるのではないでしょうか。

高齢になると実際に医療費は多くかかっているのか?

それでは、実際の医療費はどのくらいかかっているのでしょうか。厚生労働省から発表された「平成27年度国民医療費の概況」で調べてみました。平成27年度の国民全体の医療費は、42兆3,644 億円で、人口一人当たりで計算すると33万 3,300円になります。この金額は、前年度の32万1,100円と比べると、3.8%の増加となります。

このうち、高齢者の金額だけみると65 歳以上は 25 兆 1,276 億円で、全体の59.3%を占め、人口一人当たりで計算すると74万1,900円になります。65歳未満は18万4,900円ですから、65歳を境に医療費が高くなるのがわかります。

定年後・退職後の医療費を民間の医療保険で備える理由とは?

公的な医療保険制度が整っている日本に住んでいる場合、公的な医療保険が使える治療であれば、年齢や収入の条件にもよりますが、自己負担額は治療費の1割から3割です。また、病気になって治療や入院にお金がかかった場合、あとから申請することで自己負担限度額を超えた金額が払い戻される「高額療養費制度」や1ヵ月(1日から月末まで)の窓口での支払いが自己負担限度額までになる「限度額適用認定証」を利用することで、出費を抑えることができます。

しかし、公的な医療保険が利用できないものもあります。例えば、入院したときの差額ベッド代(特別療養環境室)や食費の負担代、平成30年1月1日現在で101種類ある先進医療に係る費用などは対象外となっています。

入院しているときの食費の負担代を除き、差額ベッドや先進医療は選択しない方法もあります。しかし、実際に治療をするときになれば、差額ベッドや先進医療を選択したくなることもあるでしょう。万一のときに備えて、入院費用や先進医療特約などがある民間の医療保険で費用を備えるという方法も考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ 

定年後や退職後など高齢になると病気にかかりやすくなり、病気の治療費もかかるということがわかったのではないでしょうか。公的な医療保険で備えられることも多いのですが、治療やQOLの選択の幅を増やすために、民間の医療保険で備えることも視野に入れる必要がでてきます。

民間の保険は加入のための審査が、健康状態によっては加入できないこともあります。また、持病や既往症がないときに加入したほうが保険料も手ごろで、加入できる保険商品の種類も多くなります。健康なうちに民間の医療保険への加入を検討してみましょう。将来もし病気やけがをしてしまって、治療に専念したいときに民間の医療保険は強い味方になるでしょう。(提供:保険見直しonline


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