本日は、スポット取引の月末応当日であり、国内輸出企業など実需ベースのドル売り注文が107円台から厚く入っていると考えられます。この実需ポジションを狙うトレードをうまく消化できれば、ドル円は再び108円台乗せ失敗の教訓を生かし、105円台に反落するのではないでしょうか。

今後の見通し

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(画像=PIXTA)

今週の一番の注目はパウエル・FRB議長の半期に一度の議会証言になると考えられます。(発言原稿は日本時間27日22時30分に発表、議会証言は日本時間28日午前零時開始予定)。同議長は、2012年からFRB理事を務めており、徐々に利上げとバランスシート縮小を進める現在の「イエレン路線」を推進してきた立場です。利上げを進める以上、穏健とはいえタカ派の枠として考えられており、強い発言内容がない限り、マーケットはドル売りで反応するのではないだろうか。

引き続きドル売りポジションをキープして105円台を狙う

107.75円でのドル売りのポジションに関しては、引き続きキープとします。損切りラインについても、107.40円(利食いの逆指値)から変更はありません。目指すは105円台での利食いです。

前週末の海外市場動向

23日の海外市場では、ロンドン・フィックス(仲値決済)にかけて106.50円台までドル売り円買いが強まりましたが、米長期金利の低下を好感したNYダウが347ドル高の25309ドルと2日以来の高値圏に続伸して引けたため、終盤はリスク選好の動きで106.80円台でNYクローズを迎えました。

本日のオセアニア市場、および、東京市場の前半では、前週末のの米国株高を受けた日経平均の22,000円回復期待が強まり、ドル円は一時107.195円(当社レート)まで続伸しましたが、やはり107円台では上値の重さが意識され、徐々に下値を模索する動きとなっています。

今日の予定

今日の海外時間には、ブラード・米セントルイス連銀総裁、クオールズ・FRB理事兼副議長、カンリフ・英中銀副総裁などの各国高官発言が予定おり、経済指標としては、米・1月新築住宅販売件数が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp