日経平均2万2000円回復、買い安心感

株式新聞,日経平均
(画像=PIXTA)

日本株相場が底入れから復調の気配を強めてきた。日経平均株価は19日、7営業日ぶりに2万2000円台を回復。3日連続で陽線を引いた。買い安心感の高まりとともに、好実態の割安株には押し目買いが向かいそうだ。東証1部の3月期決算企業(金融除く)の中から、四半期業績が改善しつつも株価が昨年末を下回る水準まで売られている銘柄をピックアップした。

ハリマ化成G―一転増益が視野、配当利回りに魅力

樹脂化成品を展開するハリマ化成グループ(4410)を狙いたい。

松やになどを手掛ける同社は、3Q決算が好調。連結営業利益は12.9億円(前年同期比25.9%増)と上期までの営業減益から増益に転じた。国内で印刷インキ用向けの利益が大きく膨らんだほか、自動車用鉛などの電子材料も伸びた。通期の営業利益は38.5億円(前期比3.1%減)と減益を見込むものの、3Q累計の進ちょく率が8割超と高く、一点増益も視野に入る。

株価は3Q決算発表後に約3カ月ぶりの高値水準まで買われたものの、市場全体の下げにツレ安する形で調整した。PBR水準は0.7倍を下回る上、今期は記念配(4円)を含む年間配当22円(前期は17円)を計画しており、配当利回りが2.6%と高い点も魅力だ。

シンニッタン―タイ経済が正常化、再び新局面入りへ

シンニッタン(6319)の戻りに付きたい。主戦場のタイ経済の正常化を背景に、自動車向けの鍛造品の需要回復が来期業績を押し上げそうだ。

海外の主力工場があるタイでは、2016年10月のプミポン前国王崩御をきっかけに経済活動が停滞し、鍛造品にも影響が及んでいた。しかし、ここへきてようやく景況感が改善しつつある。建機向けや、EV(電気自動車)用パレットも足元で伸びている。

今期の連結営業利益は前期比8.6%増の17億円を見込む。利益率の高い自動車向け新製品の投入により、来期は収益性が一段と高まる。建築足場も工事活性化が追い風となる。

株価は2日に945円まで買われ、2000年代の高値を上抜き実質的に1996年以来の水準まで上昇。短期調整を経て、新展開入りが期待される。

ヤマタネ―米価上昇、兜町再開発も PBR0.6倍

ヤマタネ(9305)が出直りムードを強める。堅調なコメ卸に加え、東京・兜町(中央区)の再開発に絡んでも再び注目を集めそうだ。

四半期ベースの連結営業利益は、3Qが前年同期比5.7%増の11.8億円となった。プラス幅は2Qから大きく改善し、上向く業況が確認された。

夏の日照不足で品薄感の強い一部作柄の2017年産は、卸値が足元で高騰している。同社の売上拡大につながる可能性があり、通期の営業利益予想(42.9億円、前期比6.4%減)の増額期待も浮上する。

一方、同社は今年から本格化する兜町の再開発に絡んでも注目の銘柄だ。PBRは0.6倍と割安感が強く、昨年来高値2379円(昨年12月14日)へ向けた反騰が始まりそうだ。(2月20日株式新聞掲載記事)

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