年功序列や終身雇用の崩壊など、不安定になった社会を生き抜くために、どの世代もマネーリテラシー(お金の知識)が求められる時代になりました。しかしながら、日本の学校ではお金のことを学ぶ機会がほとんどないため、自ら意識的に学ぶ姿勢が必要となってくるでしょう。

今回は、子どもに伝えておきたいお金の知識と、将来の資産形成を学ぶのに有効な手段であるジュニアNISA(ニーサ)を紹介します。

子どものためのお金の教育とは

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(写真=Rido/shutterstock.com)

子どもにお金の教育をしたいと思っても、何を伝えたらいいのかわからないと悩む人もいるのではないでしょうか。もちろん、子どものうちから会社の資金繰りや、株式の売買などについて詳しく知っておく必要はありませんが、子どもの頃からでも知っておきたい身近なお金の知識が2つあります。

1つ目は、日々の家計管理の方法です。自分が何にいくら使ったかを記録し、実際買ったものでよかったものは何か、無駄だったものは何か、自分がしたいことにいくらお金がかかるのかなどを把握させることが重要です。自分のお金に対する価値観を早いうちから意識させましょう。家計管理は、生涯を通じて必要な知識です。

2つ目は、将来の資産形成の方法です。投資という分野に全く関心が無いまま社会人になると、十分な資産形成ができずに老後を迎えたり、身の丈以上の投資をして大きな損失を出すかもしれません。そうならないためにも、子どもの時から資産形成の方法を伝えておきましょう。

日々の家計管理はお小遣いで学ぶ

まず、日々のお金の管理は、お小遣いで学ばせるようにしましょう。お小遣いはもらったけど、何に使ったかわからないという状態が一番好ましくありません。お金を使ったら逐一お小遣い帳をつけることが理想です。

お小遣い帳の支出項目はゲームや漫画などの「欲しいもの」と、文房具や参考書、服や交通費などの「必要なもの」に分けることがポイントです。そうすることで、欲しいものを買いすぎると必要なものが買えなくなるといったことが学べます。

はじめは難しいですが、必要なものを買うために欲しいものを我慢することと、必要なものは本当に必要なのか考える習慣を教えてあげましょう。

また、月々のお小遣いでは買えないものでも、毎月一定額を貯め、そのお金で欲しいものを買えたという経験は、欲しいものをただ親や祖父母に買ってもらった時と比べ、価値があるものと気づけるようになるかもしれません。

将来の資産形成はジュニアNISAを使って学ぶ

お金を管理するだけではなく、資産運用の知識もできるだけ若い時期から養っておく方がいいでしょう。

ここでおすすめなのが、ジュニアNISAという制度です。ジュニアNISAは、0歳から19歳までの未成年者が利用できる少額投資非課税制度ですが、通常のNISAと違うところは、非課税投資枠の上限が年間80万円、運用管理者は両親・祖父母などの口座開設者本人の二親等以内の親族、そして18歳までは払出し制限があることなどです。

ジュニアNISAを活用することで、子どもにとっては自分自身の名義で投資口座が作成されることになり、早い時期から投資に興味を持てる環境を作ってあげられることになります。ジュニアNISAで取り扱う商品には、株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など数多くの投資対象商品があり、投資対象商品の選定などを通じて、社会に出る前に投資などの金融知識を身につけるのに役立ちます。

若い時はさまざまなことを勉強する時間があるので、少しでも投資に興味を持って、勉強し、実践してみれば、きっと良い経験になるでしょう。

意味のある失敗 将来につなげて

子どもへのお金の教育は、親も子どももはじめの数ヵ月、もしくは数年にわたって失敗を繰り返すかもしれませんが、子どもが大人になってからぶっつけ本番でお金の管理を失敗するより、はるかに意味のある失敗です。親子で話し合い、一緒にマネーリテラシーを高めてみませんか。(提供:マネーLife Style


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