このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。

2018年3月8日(木)Market TalkのSummary

米国の輸入制限発言で世界貿易戦争の懸念は?

世界貿易戦争とまでは至らないだろう。結局選挙対策のパフォーマンスであるのと、そもそも鉄鋼、アルミはアメリカの輸入量の2%程度しかない。(トランプ大統領は)商売人だから自分の支持者への印象を良くするため、そういう駆け引きをして取引をする。間違ってはいけないのは中間選挙は議員の選挙であって大統領選ではない。大統領がいくら人気をとっても共和党がばらばらではどうしようもない。これ以上エスカレートはしないと思う。米国株も最初はショックで下げたが、その後はほとんど反応していないので大したことはないということだろう。

2019年度末には日経平均3万円とのことですが、その後はどうなるのでしょうか?

2020年オリンピック後の景気を懸念する声もある中、やはりそこでいったん頭打ちになることも考えられる。ここまで長く景気が息切れしないできているが、1月の景気動向指数が一気に5ポイントも急降下した。1月は相当日本の景気に下押し圧力がかかっているというわけで、1月の数字が発表されたのは昨日だが、株価はそれを先取りして下がったということになる。これまで日本の株価は日本の景気動向指数にぴったり一致して上がってきていたのが、ストーンと下がった。この下げについては、日本株はファンダメンタルズはしっかりしているのに、アメリカ発の暴落に巻き込まれた、とばっちりだと言っていたが、実は日本の景気も下方に屈曲していたということになる。このようにファンダメンタルズの方も悪い材料が出てきてしまっているがこれは一時的だと思う。そして来年も景気拡大が続くと高度成長期を抜いて史上最長の景気回復期となり3万円まではいくけれどさすがにそこで一服する流れになるだろう。

この1か月間、日経平均が21,000円から22,500円くらいのレンジで動いていますが、当面このレンジで推移する確率が高そうですか。

以前から言っているとおり、「節分天井、彼岸底」が1週間前倒しになっているので、そろそろここで下値だろうと思う。非常に良い決算が出るのは間違いないと思われるので、そこからそれを好感して戻るだろう。ただ来期の業績予想が慎重だといわれているが、来期の予想が慎重なのは当たり前だと-会社計画は期初なので当然慎重な予想を出す-マーケットが割り切れるかどうか。どちらにしても今期が非常に良くて2期連続の最高益更新となると、ベースとなる利益の水準も、ベースとなる1株あたりの純資産も全部上がるから、そこでかさ上げされて5月、6月には戻っていくと思う。

3月4月の相場は買場なのか?売場なのか?

長期投資の目線では買い場だと思う。短期でうまく売買したいのであれば、決算発表で戻ったところでいったん手じまって、また秋口の押し目を待つというのも手だと思う。

3月利上げあるとしたら 織り込み済みでしょうか?

マーケットでは3月の利上げは織り込み済みだ。注意しなくてはいけないのは、3月の利上げが無しとなった場合のサプライズ。これのひとつの試金石が明日発表の米国雇用統計だ。今回の米国株暴落のきっかけとなった1月雇用統計の平均時給の上昇-前年比2.9%上がって、金利が上がった-そこから暴落が始まった。しかしこの平均時給の上昇はテクニカル要因で上がっただけだと考えている。とすると今回は2.9%という高い伸びにはならない可能性が高いと思う。賃金上昇の伸びが元のペースに戻った場合、つまり賃金の上昇は加速していないとなるとどうなるか。それでも3月利上げをやるのかという話になってくると思う。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

【関連リンク マネックス証券より】
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