医学の進歩に合わせて医療保険は変化します。一昔前なら、持病や既往症がある人は医療保険に入ることは難しく、基本的には病気になる前に加入しておくものでした。現在も症状により医療保険に加入できないケースもありますが、持病や既往症があるから医療保険は絶対に加入できないということはなくなりました。

程度の差はありますが、年齢を重ねれば何らかの持病や既往症があるのではないでしょうか。保険会社も医療保険の加入者を増やすために、「持病があっても申込できる保険」に力を入れ、現在では、多くの保険会社で販売されています。具体的にどのような商品なのか、「持病があっても申込できる保険」について解説します。

「持病があっても申込できる保険」と一般的な医療保険との違い

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(写真=Milos Nakovic/Shutterstock.com)

「持病があっても申込できる保険」の正式名称は、引受基準緩和型医療保険です。「引受基準緩和型」という言葉からわかるように、保険会社が定める基準を緩やかにし加入できる範囲を広げた医療保険です。持病や既往症の悪化や再発による入院・手術にも対応しています。

ただ、一般的な医療保険に比べるとデメリットもあります。一つは、保険料が割増となる点です。年齢や特約の有無などを同一にして比較した場合、一般の医療保険の保険料より1.5~2.0倍くらい負担が増える商品もあるようです。具体的な保険料の額は、年齢などの条件によって異なりますので、シミュレーションを行い、継続して支払えるかどうか検討する必要があるでしょう。

もう一つのデメリットは、保障の開始から一定期間は、給付金が50%に削減される商品が多い点です。所定の削減期限を過ぎれば、保障内容は通常通りの金額となりますので、削減期間の病気やケガには特に注意しましょう。

「持病があっても申込できる保険」の加入条件は?

3つ(保険会社によっては4つ)の質問に対し、すべて「いいえ」であれば原則、申込むことができます。では、質問内容を具体的に見ていきましょう。

<告知内容 例>
質問1 過去3ヵ月以内に入院・手術・先進医療・検査をすすめられたことがありますか。
質問2 過去2年以内に、病気やケガで入院したこと、手術をしたことがありますか。
質問3 過去5年以内に、がんで入院したこと、手術をうけたことがありますか。

「過去3ヵ月以内」「過去2年以内」「過去5年以内」で質問内容が異なります。病気やケガで入院や手術をしてから、ある程度時間が経っていれば基本的には申し込みが可能です。告知項目は保険会社によって異なるため、A社の告知には該当しても、B社の告知には該当しないというケースもあります。また、なかには告知に該当があっても、詳細な告知をすることで申込できる会社もあります。持病や既往症がある人が、保険を検討する場合は、様々な保険会社の商品を取り扱う保険代理店に相談するのが良いでしょう。

「持病があっても申込できる保険」に加入する前に注意すべき点

加入する前に注意すべき点は、保険料が割増となることや、契約日から一定期間は保険金や給付金が半分になる商品が多いこと、などが挙げられます。

保険料は割増ですので、まずは一般的な医療保険に加入できるかどうかを確認してから、「持病があっても申込できる保険」を検討することが重要です。

「持病があっても申込できる保険」の販売が遅かった保険会社は、すでに販売している商品にはない特徴を付加したリ、欠点を補ったりして、より魅力のある商品を販売します。このような理由もあり、一見同じような商品でも保険会社によって保障内容が異なります。たとえば、「契約日から1年間は保険金や給付金が50%に削減される」商品がほとんどですが、なかには削減期間が短い商品や全くない商品もあります。

「持病があっても申込できる保険」に限りませんが、「商品概要」や「契約のしおり」など商品について詳しく書かれている資料をじっくり読み、ほかの商品とどこが違うか確認しながら比較検討しましょう。 (提供:保険見直しonline


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