資産運用には株式投資やFX、不動産投資など様々な方法がありますが、安定した資産運用が期待できるのは不動産投資です。しかし、不動産会社から紹介された物件を購入して運用した結果、購入時に説明を受けた利回りよりも低くて驚く人が多いのも事実です。

不動産会社が物件を紹介する時に用いる利回りは想定利回りと表面利回りを基準にしていることが多く、実際の利回りを表する実質利回りを用いることはありません。それぞれの利回りの特徴と購入する際に気を付けたほうがいい物件の種類について見ていきましょう。

想定利回り・表面利回り・実質利回りの違いとは

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(画像=Creativa Images/Shutterstock.com)

利回りには、想定利回り・表面利回り・実質利回りの3種類があり、それぞれの違いは以下の通りです。

・想定利回り
想定利回りは設定されている家賃で満室状態を想定した場合の利回りです。不動産会社が提示する書類には、一般的に想定利回りと表面利回りが記載されています。想定利回りしか掲載されていない場合は実際の利回りとの差が大きい物件の可能性があるので注意が必要です。

・表面利回り
想定利回りが満室状態を想定しているのに対して、表面利回りは空き状態を反映している利回りです。想定利回りと表面利回りの差があまりない状態はほぼ満室状態であり、想定利回りと表面利回りの差が開いている状態は空き状況が目立っていると判断できます。

・実質利回り
表面利回りから物件の運用に対して発生する諸費用を差し引いた実質の利回りです。築年数が経過している物件の場合には、表面利回りは高くても修繕費などの発生によって、実質利回りが低くなりやすいので、なるべく実質利回りを確認することをおすすめします。

新築マンションは当面は修繕費などの諸費用が少なく、固定資産税や水道光熱費、不動産会社への管理委託費などを想定しておけば問題がありませんが、以下のような物件を運用する場合には注意が必要です。

実質利回りを確認する必要がある物件は3つ

表面利回りとの差が生じやすく、実質利回りがいくらになるのかを確認すべき物件には、中古物件・水道光熱費込物件・家具付き物件があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

・中古物件
中古物件は初期費用を少なく抑えることができるだけでなく、高利回りであることが多いため魅力的なです。入居者の入れ替わりに合わせて細かな修繕が続いたり、建物の外壁補修や防水工事などの大掛かりな修繕があると大幅な収益減少につながるので注意が必要です。

・水道光熱費込物件
物件の居住スペース以外に発生する水道光熱費は物件のオーナー負担なのは当たり前ですが、最近では家賃に水道光熱費を含めているものも増えています。入居者からすると、全てが定額になるため支出の管理を行いやすくなりますが、物件のオーナーからすると、月ごとによって異なる水道光熱費の支出が家賃収入を圧迫することになります。

・家具付き物件
転勤の多い単身者や学生向けの物件に多いのが家具付き物件です。入居者からすると、洗濯機やベッド、エアコンなどの諸費用を抑えることができるのが魅力ですが、物件のオーナーからすると、 家具の劣化や故障による思わぬ出費が発生する場合があります。

入居者を確保するために、水道光熱費を家賃に含んだり家具付きにして物件の魅力を高めたりするだけでなく、敷金や礼金を無料にしたりインターネット代を家賃に含んだりする物件が増えています。このような物件を中古で購入する場合は、通常よりも諸費用が多く発生するため、実質利回りが表面利回りよりも大幅に下回る可能性があるので、あらかじめしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

不動産会社が紹介する物件には、満室を想定した想定利回りと空き部屋を考慮した表面利回りの2つが記載されていることが多いものの、諸費用まで考慮した実質利回りは記載されていません。

入居者を確保するために、水道光熱費込や家具付きといった様々な特典を付与して費用を安く抑えられることをアピールする物件が数多く存在しています。このような物件は人気があるため、想定利回りと表面利回りの差がない高利回りの物件に見えるかもしれませんが、諸費用が多く発生するため、実質利回りはかなり低い可能性があります。

物件を購入する場合には、想定利回りや表面利回りを確認して高利回りかどうかを判断するだけでなく、物件の運用にかかる諸費用まで計算に入れた実質利回りを確認することが、不動産投資を安心して行う秘訣です。(提供:不動産投資セミナー

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