現在独身の女性の中には、生涯独身で生活することをイメージすると老後に不安を感じる人は多いかもしれません。まず必要なことは、「老後にどれくらいお金が必要となるのか」知ることです。統計データを参考に必要額を把握するとともに、その貯め方について説明します。

「おひとりさま」老後のリアルな生活費実態

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(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)

シングル女性の多くは、老後の生活にふと底知れない不安を感じる瞬間があるのではないでしょうか。不安を完全に払拭することは難しいかもしれませんが、少なくとも経済的な面については「どうすればよいのか」がある程度はっきりしているといえます。なぜなら、統計データを見れば、老後における生活費の必要額の目安を把握できるからです。

総務省の家計調査年報によると、2016年の60歳以上の高齢単身無職世帯における1ヵ月の消費支出は14万9,552円とされています。それに対して実収入は12万93円で、不足分は2万9,459円となっています。1年間で約35万円、この生活を30年続けるとすると総額1,000万円あまりが不足額となる計算です。これが、独身者の最低限用意すべき自己資金ということになります。

もちろん、単純な推計なので通院・入院や介護、その他トラブルによる出費は想定していません。また、これからも年金が変わらずに支給されるという前提を置いているので、今後の日本経済や財政の先行き次第で不足額は大きく変わる可能性はあります。それでも、「具体的にどれくらいの金額を最低限用意する必要があるのか」を把握していれば、漠然とした老後の不安に駆られるよりもよいでしょう。

年金で埋められないお金を捻出する3つの方法

統計データを見る限り、年金だけで老後の生活費を捻出するのは難しそうです。また、今後、年金額が減額されるだろうという悲観的な予測を立てるのであれば、ますます年金だけに生活費を依存するのは危険でしょう。年金だけで埋められない生活費を捻出するには、「仕事する」「支出を抑える」「運用してお金を増やす」の3つの方法があります。

まず、60歳以降もできる限り仕事を続けるのはよい対策でしょう。月に数万円でも稼ぐことができれば、生活費の足しになりますし気分にも張りが出ます。女性の平均寿命が80歳を超える時代において、老後に何の仕事もせずに過ごす手はないでしょう。現役時代からスキルを蓄積し、老後も細く長く続けられる仕事を確保しておくことが必要です。

次に、支出を抑えることも重要です。独身の場合は、2人以上の世帯よりも生活水準が高くなっている人もいることでしょう。しかし、生活水準を下げることは想像以上に難しいものです。一度身についた生活水準のまま、老後生活を送っていると、気づかぬうちに貯金を食いつぶしているという結果にもなりかねません。ぎりぎりまで切り詰める必要はありませんが、無駄遣いを減らしたり、家賃や通信費などの固定費を削減したりする方法を学ぶことは必要でしょう。

最後に、運用によって資産を形成するのもおすすめです。リスクを取る限り損をする可能性はあるのですが、長期的な視野で運用に取り組めば経験も増えますし、利益も出しやすくなります。取れるリスクと狙いたいリターンをしっかり考えて、貯金以外の運用方法を採用するとよいでしょう。もちろん、余剰資金で取り組むことが大前提です。

経済的安定が老後の幸福の鍵

幸福をお金で買うことはできませんが、経済的に安定していれば何かと気持ちに余裕が持てます。お金がいくらあっても、老後の不安を完璧に払拭することはできないかもしれません。しかし、経済的な安定が老後の幸福のある部分を占めていることも確かです。

運用によって安定的に資産を形成するには、どうしても時間が必要です。そのため、できるだけ早い時期から少しずつ資産運用の経験を積むようにしましょう。生活水準を一定のまま保ち、運用によって着実に資産を形成できていれば、経済的な側面で老後に大きな問題を抱えるリスクを回避することも可能です。そうすれば、経済面以外(健康、趣味、人間関係など)を充実させる活動へ余裕を持って時間を割けます。経済的な安定は、生活全体の安定につながるともいえるでしょう。(提供:Incomepress


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