意外に知らないスーツの基本

ビジネススーツ,基本
(画像=Piotr Adamowicz/Shutterstock.com)

季節は春。社会人1年生や就活生ならずとも、ビジネススーツの1着くらいは買い足したいところ。でもいざ選ぶとなるとなかなか面倒で……。

そんなビジネスマンのための『一流に見える服装術』(たかぎこういち著)から、「これだけはおさえたい」スーツ選びのポイントを紹介します。キーワードは「サイズ」と「素材」、「Vゾーン」です。

スーツ選びは面倒くさい?

スーツ選びは、ファッションに疎いビジネスマンにとってはそれなりに面倒なことです。微妙に違う形や柄、色のなかから選ぶのに時間がかかるし、安い買い物ではないので失敗もしたくない。信頼できる誰かが「あなたにはこれ!」と決めてくれたらラクなのに。

迷ってしまう理由のひとつは、「ビジネスマンは外見でも評価される」ということを無意識に知っているからでしょう。ファッションにそれほど興味がなくても、周囲の人たちに「ダサい」「イタい」「ダラシない」と思われたくはない。商談やプレゼンなどの機会が多い人ほど見た目に気を使わざるを得ないのは、外見の印象が自分の評価に影響するかもしれないからです。

しかし、もっとも大きな理由は、単純に「知らないから」です。私たちビジネスマンはスーツを毎日着るのに、その選び方、着こなし方について知る機会がほとんどないのです。

「メンズファッション誌や本で勉強すれば?」という声も聞こえてきます。しかし、その多くは「ファッション好きがファッション好きのためにつくったもの」で、載っている服はとても高価なスーツばかり。モデルもスタイル抜群の外国人かイケメンです。参考にしようにも無理がある。

このような問題意識から『一流に見える服装術 センスに関係なく「最適な服」が選べるスーツスタイルの教科書』を上梓したのは、スタイルアドバイザーのたかぎこういち氏です。この本のねらいは、「ファッションセンスや知識をそれほど持たない普通のビジネスマンが、なるべくお金をかけずに最適なスーツを選べるようになること」です。

ここでは同書の内容から、「最低限おさえておきたい、自分に合ったスーツ選びの基本ルール」を紹介します。

「正しいサイズ」は基本中の基本

スーツ選びでもっとも大事なのは「サイズ」です。タイトすぎ、大きすぎの服を着ている人は意外なほど多いようです。首まわりに隙間があり過ぎるシャツと肩パッドの入ったオーバーサイズの上着を着た、だらしない印象のおじさんを見かけませんか?

以下に、ビジネススタイルにおける「正しいサイズ」のチェックポイントを見ていきましょう。

■上着

上着は肩で着ます。まず肩幅を合わせましょう。袖の付け根が肩にきちんと乗り、腕の方に落ちていない状態がベストです。

ボタンを留めたとき、こぶしが1つ入る程度の余裕があるのが適正です。ジャストサイズの上着なら、背中やお腹の部分に不自然なシワはできません。ちなみに一番下のボタンは留めないのがルールです。

丈はお尻がちょうど隠れるくらいが標準です。袖は、ワイシャツが1.5センチ程度見える長さに合わせます。また、ワイシャツの襟も首の後ろで1.5センチ見えると適正だそうです。

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(画像=日本実業出版社 47ページより)

■パンツ

ベルトなしで履けるパンツがジャストサイズです。目安は、ウェストの実寸プラス3センチ。股上は浅すぎず、深すぎずで、バランスを大切にしましょう。

ウェストの次に大事なのはヒップのフィット感です。ヒップにたるみがあるとだらしない印象になります。お腹が出ている人は先にヒップを合わせてから、ウェストサイズを直した方がいいそうです。太ももパンパンなスポーツマンタイプもまずはヒップから。もものワタリは実寸プラス10センチを目安に。

裾幅は、ビジネスシーンでは20センチが標準です。シングル、ダブルはどちらでもいいのですが、シングルはよりフォーマル、ダブルはパンツのシルエットがより美しく見える、と覚えておいてください。ダブルの折り返し幅は3.5~4センチにしましょう。

タックは、肥満型の人は2タックで。その他の人はノータックかワンタックにします。

丈は、靴の甲にかかってワンクッションたわむのがスタンダードです。長すぎるとだらしなく見えますが、短すぎるのもビジネスシーンには向きません。

■シャツ

スーツだけでなくシャツもジャストサイズに気を配りましょう。たかぎ氏によると、首まわりが大きめのものを着ている人が非常に多いそうです。第一ボタンを留めて指が2本入るサイズがベストなので、手持ちのシャツでチェックしてみてください。

襟の、首に沿って立っている部分(「襟腰」というそうです)は約4センチが適正です。ビジネスシーンでは高すぎるデザインのものは避けましょう。

肩幅は上着同様袖の付け根部分が肩から落ちないサイズ、袖は手を自然に降ろしたときに手首が隠れる長さで。前述のように1.5センチ前後が見えるサイズです。

いうまでもありませんが、ブカブカしたものやボタンがちぎれそうなサイズはNGです。

スーツは何着あればいい?

さて、ビジネススーツは何着持つべきでしょうか。たかぎ氏はズバリ「6着」と答えています。ちょっとハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、明快な理由があります。その内訳を見てみましょう。

まずは色です。色は「グレーとネイビーがあれば十分」だそうです。グレーのスーツは一時期「日本のサラリーマンは没個性で皆ねずみ色の服を着ている」などといわれイメージを下げましたが、正しく着れば上品な自分を演出できる「魔法のスーツ」なのだとか。

グレーといってもライトグレーからチャコールグレーまで選択肢は広くあります。淡いグレーは涼しげで行動的な印象を与えます。濃くなるにつれて安定感が増していくので、相手に与えたい印象を考えて選びます。

ネイビーも明るいものからダークネイビーまであり着たときの印象が少しずつ違います。試着して自分に合うかどうか確認しましょう。自分で判断できなければ、信頼できるパートナーに見てもらうのもいいでしょう。

そして、そろえたい6着は季節に合った素材で考えます。ビジネススーツの素材をシーズンごとに変えると、服装への気づかいを感じさせ、より印象がよくなります。

その内訳は、春夏用のサマーウールと、綿か麻混でまず2着。夏を除くスリーシーズン用のウールを2着(ストレッチ素材も可)。最後に秋冬の定番素材といわれるフランネル、サキソニー、ツイード、ホームスパンなどの素材から2着です。

以上の6着があれば1年を通してフレッシュな気分でいられます。また、さりげないおしゃれができる人として周囲の評価もあがるでしょう。

シャツも6着、ネクタイは5本そろえたい

シャツはホワイトとホワイトベースの細いストライプ柄を基本に、6着そろえるのが基本です。現代ビジネスマン向けの主流であるワイドカラーや、少しフォーマル度を下げたボタンダウンカラーも試しましょう。わかりやすいように、ビジネスシーンに向くシャツの襟のバリエーションをイラストで示します。【No Good】も参考にしてください。

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(画像=日本実業出版社 140ページより)

そしてネクタイは、無地のものを2本、水玉と小紋、ストライプを各1本の計5本をまずそろえます。無地はネイビー、グレー、ボルドー、ベージュから色を選んでください。日本人は意外に使わない無地のネクタイですが、合わせやすくて重宝するので2本あると便利です。その他はネイビーとボルドーをベースに選びます。

Vゾーンの印象別マトリクス

以上のスーツとシャツ、ネクタイの組み合わせによる「Vゾーン」は、外見上とても重要な要素です。Vゾーンがスマートにまとまっていると、いろいろなことに気を配れるビジネスマンに見えるでしょう。

「ビジネスシーンでの服装は、相手に与える印象を第一に考えて選ぶべき」とたかぎ氏は述べています。自分を演出することも大事です。『一流に見える服装術』掲載の「Vゾーンで与える印象別マトリクス」を参考にして、それぞれのシーンにふさわしいVゾーンを選びましょう。

ビジネススーツ,基本
(画像=日本実業出版社 62ページより)

(提供:日本実業出版社)

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