シンカー:日本経済分析の基幹となる、1年から3年程度の中期のビューをまとめた。

SG証券・会田氏の分析
(画像=PIXTA)

中期は1年から3年程度の期間の見方

企業のデレバレッジと弱いリスクテイク力による異常なプラスの貯蓄率(過剰貯蓄)が、総需要を破壊する力として、日本の内需低迷とデフレの原因である。

企業活動の活性化で、数年内に正常化(マイナス化)し、デフレ完全脱却となろう。中小企業貸出態度DIが示す信用サイクルが、日本経済の景気循環を規定している。

まだ上昇局面にあり、デフレ完全脱却への動きは堅調で、日銀の低金利政策の副作用は大きくはなっていない。

3%から2%への失業率の低下が、内需拡大と賃金上昇を強くする。

図)企業貯蓄率とコアCPI

企業貯蓄率とコアCPI
(画像=内閣府、日銀、総務省、SG)

図)日銀短観中小企業貸出態度DIと失業率

日銀短観中小企業貸出態度DIと失業率
(画像=日銀、総務省、SG)

ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司