週末に飛び込んきたニュースを挙げるのであれば、米英仏3カ国がシリアを攻撃したことがメインになるでしょう。ロシアは、米英仏3カ国に対する非難決議案を国連安全保障理事会に提出しましたが、否決され、且つ米英仏への有効な対抗策は持ち合わせていないため、今後の対応に苦慮していることが見てとれます。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

マーケットの反応としては、シリア関連の報道にほぼ無反応というやや意外な展開となりました。一部報道では、今回の攻撃は連続的なものではなく、今回の1回で終了との見方が強いため、リスク回避の動きには繋がらなかったとの見解が示されています。

また、米財務省は半期為替報告書を発表しました。引き続き為替操作国に認定された国はありませんでしたが、日本、中国、韓国、ドイツ、スイスを引き続き監視対象国に指定、インドを新たな監視対象国として追加しました。中国に対しては「対米貿易不均衡是正で前進がみられない事を強く懸念している」と述べ、前回から批判のトーンは強まりましたが、マーケットが懸念している程ではなかったようです。

目先の注目材料としては、17-18日に行われる日米首脳会談に焦点が移りそうですが、日本の為替政策・金融政策に関して強いトーンで注文があれば、リスク回避の円買いという動きになりそうですが、シリア問題、半期為替報告書を経てリスク選好の動きが強まっている以上、まずは円安方向に目線を移す必要がありそうです。

引き続き、ドル円買い持ちを継続

ドル円106.80円での買いポジションを継続して保有中です。前週末に損切りラインを106.50円割れから107.00円割れに引き上げており、この手仕舞ラインも変更なしです。利食いは108円台を目指したいのですが、本日も107円台半ばで伸び悩むようなら利食いも考慮します。

海外時間からの流れ

欧州時間では、米国債利回りが上昇したことを受け、ドル円は一時107.70円台まで上昇しました。ただ、シリア情勢への懸念から米国株が下落したため、ドル円はじりじりと107.30円台に押し戻されました。その後は、日経平均株価が反発し、欧州時間を107.50円台でスタートしたドル円は107.60円を挟んでの揉み合いが続きました。

米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が市場予想を下回ったため、週末要因も重なり利食いのドル売りが強まり、ドル円は上値の重い展開となりました。ただ、欧州時間同様にその後は様子見の動きとなり、107.342円(当社レート)でこの日の取引を終えました。

東京時間では、半期為替報告書もなく107.40円付近での動きが中心となっています。

今日の予定

本日の海外時間には、米・3月小売売上高、米・4月NY連銀製造業景気指数、米・2月対米証券投資収支などが予定されており、特に米・3月小売売上高への注目度が高そうです。また、雨宮・日銀副総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁の発言も予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp