中国経済,小売業界
(画像=PIXTA ※画像はイメージです。)

目次

  1. 小売業界を支える零細店舗にIT企業の手が
  2. 全土に600万を超える零細商店
  3. アリババ、京東の加盟条件とは
    1. ●天猫小店 加盟費1万元など必要
    2. ●京東便利店 補償金など必要も明確な加入条件・数値目標なし?
  4. 京東が進める1000店計画

小売業界を支える零細店舗にIT企業の手が

中国ではネット通販大手による家族経営の零細店舗、いわゆるパパママストアの囲い込みが進んでいる。主に天猫小店(アリババ系)、京東便利店(京東/JD系)が中心で、京東は、1日1000店を開店させると宣言した。第3位の蘇寧易購は、囲い込みには加わらず、自社物件方式で「蘇寧小店」を出店している。

中国のパパママストアが急速に変化しつつあるのは間違いない。中国商業の底辺を支えてきたパパママストアは、どこへ向かうのだろうか。

全土に600万を超える零細商店

中国全土には600万を超える零細商店があるといわれており、その大部分はパパママストアである。そして、その70%は3~6線級の地方都市に位置している。店主の80%は45歳以上で、スマホやインターネットに精通していないことが多い。経営は過去10年、概ね安定していたとはいえ、利幅は薄く、平均営業時間は12時間を超えている。収入増の見通しは立たない。彼らには何より、情報過疎に置かれている。相談相手が存在せず、何をどうしてよいのかわからない。

一方、小売りの15%を占め中国小売業界の主役に躍り出たネット通販大手は、そろって「無界零售(無限小売業)」「新零售」などの名を冠したO2O融合の新小売業を標ぼうし始めた。2017年のことである。

ネット通販の戦略は、オフライン小売業との提携、新業態実体店舗の開発だ。オフライン小売業との提携は規模の大小を問わない。小さな商店との提携を目指すプラットフォームとして、通販大手が提出したのが「天猫小店」「京東便利店」である。将来を思い悩む小商店主にとって、渡りに船の面は確かにあった。。それは時代の流れの必然だったともいえる。

アリババ、京東の加盟条件とは