中国経済,O2O,通販,
(画像=PIXTA)

目次

  1. IT技術が支える中国農業の活況
  2. 拡大と成長を続ける農産物市場
  3. ネット通販が生産者のエリア化を促進
  4. O2O融合の新型店が寄与
  5. さらに新たな発展段階に

IT技術が支える中国農業の活況

中国の農業は活況が続いている。それを支えているのが、オンラインによる物流、販売のネットワークだ。IT技術の発展によって、中国の農業は日本とはかなり様相が違うものになっている。

中国で発表された「2018年中国農産品電商(ネット販売)発展報告」の分析をもとに、中国の農産物市場の今後はどうなっていくのか、考えてみよう。決して、日本とも無縁ではないはずだ。(1元=16.56日本円)。

拡大と成長を続ける農産物市場

報告を発表したのは中国農産品電商聯盟、北京工商大学商業経済研究所、沁坤農産品商城だ。

最近の中国農業は、種苗、養殖、加工、販売、仕入れのどこを取っても好調だ。正のスパイラルで順調に循環している。その一方で転換点を迎えているのも確かである。それは農産品のオンライン物流網が形成されつつあることによる。

報告によると、2017年、中国の主要農産品生産は、過去最高を記録した。総量は21億1828万2500トンに達し、取引は拡大基調を続けている。また各種農産品の電子取引市場は1969カ所に達した。そして全国の基本農産品(加工食品原料など)のオンライン取引額は、10兆元を超えたと見られる。消費者向けでは、生鮮食品のネット売上が毎年50%のペースで伸び、1391億3000万元に達している。さらに食材のネット取引は8000億元を、フードデリバリーサービスは2000億元を超えた。

ネット通販が生産者のエリア化を促進