中国経済,EC,小売業
(画像=feelphoto / shutterstock.com アリババのジャック・マー会長)

目次

  1. ネット通販好調のアリババ、成長とまらず
  2. アリババの牙城揺るがず
  3. 「新零售」の2つの課題、3つの取り組み
  4. アイフォンは97%、メンズ衣料は80%の伸び
  5. 他を寄せ付けぬアリババの勢い

ネット通販好調のアリババ、成長とまらず

米国アマゾンが2018年4月下旬に発表した同年第1四半期決算は、衝撃的だった。売上高は510億4200万ドルで前年比43%も伸び、市場予想を大きく上回った。北米のネット通販は46.4%、北米以外のネット通販も34.5%と本業をしっかり伸ばしている。

一方、中国でもネット通販首位のアリババのB2Cプラットフォーム「天猫」の第1四半期データが発表された。こちらのGMV(Gross Merchandise Volume/一定期間の成約額)もまた45.7%と驚異的な伸びだった。40%台の成約増など実体店舗では夢のまた夢である。 ネット通販は世界中で勢力を増す一方だ。その中でも「新零售」を掲げるアリババの強さは特に際立つ。その強さをデータをもとに検証してみよう。

アリババの牙城揺るがず

アリババ系ビッグデータサービスの「雲観数据智能査詢平台」は、天猫の第1四半期のGMVは、5590億元(881億ドル)で前年比45.7%の高い伸びだったと発表した。

2018年第1四半期のネット通販業界は、熱気に包まれていた。共同購入サイト、ピンドゥオドゥオ(拼多多)の躍進や、TikTok(ティックトック)のネット通販連携など、話題には事欠かなかった。新しい通販サイトも次々と登場した。

そうした厳しい状況下にありながら、首位アリババの牙城は揺らいでいない。これで天猫は4四半期連続で、GMV40%以上の伸びを記録した。これは容易なことではない。アリババが主導するO2O融合を目指す新零售(新小売業)への取組みが、功を奏したのは疑いのないところだ。

「新零售」の2つの課題、3つの取り組み