中国経済,小売り,BATJ
(画像=筆者撮影、中国・上海の盒馬生鮮の店舗)

目次

  1. アリババとテンセントの取り組みは
  2. アリババが独自開発した「盒馬鮮生」
  3. 近未来を意識したテンセントの「We Life」
  4. テンセント、カルフール中国に出資

アリババとテンセントの取り組みは

中国で進む「新零售」という名の小売革命は。基本的にオンライン企業が従来型のオフライン小売業に変革を迫るという構図である。その中から代表的オンライン企業、アリババとテンセント(’騰訊)の取り組みを上海現地の様子をふまえてレポートする。

アリババが独自開発した「盒馬鮮生」

ネット通販首位のアリババは、多くのオフライン小売業に出資しているが、中でも2017年11月の大型スーパー「大潤発」への出資は世間を驚かせた。ここでは独力で開発した生鮮スーパー「盒馬鮮生」を取り上げる。

盒馬鮮生金橋店は、上海浦東の住宅地に立地している。金橋国際商業広場というショッピングセンターの地下1階だ。一見すると普通の食品スーパーと変わらない。一般客が普通に買物をしている。

しかし、それよりも断然多いのは、空色のユニフォームに身を包み、動き回る店員たちだ。彼らはオンラインで入るオーダーを端末で確認すると、専用の買い物袋をスキャン、これで発注主が確定する。店員たちはオーダー明細にそって商品を揃える。完了すると袋はハンガーシステムに載って1階の配送所へ運ばれる。商品は3キロ以内の配送範囲に最短30分で配達する。

発注は「盒馬」というアプリをダウンロードして行う。支払いはアリババのオンライン決済「アリペイ(支付宝)」を使う。スマホ1台ですべてが完結するのだ。一見客もアリペイさえあれば清算できる。この店では、基本的に現金は一切使えない。

近未来を意識したテンセントの「We Life」