オンライン決済による新業種にIT大手も参入
中国では、スマホの急速な普及とオンライン決済の発展を背景として、日本にはないO2Oの新業態が花を咲かせた。ライドシェア(配車アプリ)、シェアサイクル、フードデリバリーサービスの3つである。いずれもすでに大手による寡占化の段階に入った。
ところが、こうした新しい業種にもアリババら大手IT企業が参入を始めた。これによって、業界はどのように変化するのか。経済サイト「界面」「中国財経」などの記事をもとに探ってみたい。
中国で人気のフードデリバリー
日本人の多い上海の古北新区に、庶民的な台湾料理店がある。おいしくてリーズナブルで、日本人にも人気の高い店だ。店内の使いこまれたテーブルには、QRコードが貼り付けてある。食事が終わると店員に声をかけて代金を確定し、コードをアリババのオンライン決済アプリ、「アリペイ(支付宝)」でスキャンすれば、支払いは完了だ。無現金レストランである。
また店の前には、青、黄、赤色の、3種類のオートバイが10台ほど待機している。これはフードデリバリー部隊。青は餓了麼(ウーラマ)、黄は美団外売、赤は店独自のオートバイである。餓了麼と美団外売はフードデリバリーの2大会社。店では、どのルートから注文が入っても即時に対応できるようになっているというわけだ。
これが今の中国で見られる人気レストランでの普通の光景である。そのフードデリバリー業界に、新たな動きがあった。