本日のメインイベントとして考えられていた日米首脳会談の共同声明では、安倍首相とトランプ米大統領が、自由で公正かつ相互的な貿易取引を実現するため、茂木経済再生担当相とライトハイザー通商部代表による協議を始めることで合意、米国と日本が新たな合意できるか関税について協議など問題を先延ばした感は否めないですが、市場が懸念していた強硬な対日通商圧力や為替相場への言及は見られなかったため、日米首脳会談へのリスク回避のポジションが徐々に買い戻されやすい地合いになってきています。

今後の見通し

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(画像=PIXTA)

目先のポイントとしては、日米首脳会談でトランプ米大統領が日米FTA(自由貿易協定)交渉や為替問題への言及がなかったことで一先ず安心感からドルの買い戻しの動きが強まりそうです。ただ、今後の焦点は上述したように茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表部代表との通商交渉の行方となります。日本にとって手強いライトハイザー氏が相手であるため、今回の会見内容を楽観的に考えるのは難しいのではないでしょうか。

日米首脳会談の共同声明待ちの状態が続いており、ドル円の動きが限定的になっていたことで、今後はボラティリティが徐々に上がっていくのではないでしょうか。ドル円は107円を挟んだレベルがコアレンジとなっていましたが、目先最大のイベントを消化したこともあり上下どちらかのレンジを抜けてくるかもしれません。

107.60円での損切りラインは維持

日米首脳会談で通商問題で円買いが強まる可能性を考えて107.30円でドル売り円買いポジションを持ちましたが、日米首脳会談を無事通過したこともあり、リスク回避の巻き戻しの動きが強まる可能性があります。ただ、107.60-80円のラインは上値抵抗としてテクニカル的には意識されていることもあり、107.60円まではこのポジションを保持します。

海外時間からの流れ

昨日の欧州時間では、英・3月消費者物価指数が市場予想より悪化したことを受け、ポンドが急落しました。また、ユーロ圏・3月消費者物価指数も同様に市場予想を下回ったことで、ユーロ売りが主導しました。

ただ、ビルロワ・フランス中銀総裁が「緩やかなペースのQE解除で政策委員は一致」と発言するとユーロは急反発しました。1.2300ドル半ばで推移していたユーロドルは、一時1.23969ドルまで高値を更新する動きとなり、英国・欧州の消費者物価指数の悪化分を取り戻す結果となりました。

トランプ米大統領が「対ロシア追加制裁、近く打ち出す計画無い」とコメントするなどドル円が動く材料こそありましたが、本日早朝の記者会見待ちの動きが強まり、ドル円は小動きに終始しました。そして、注目の記者会見後は、為替相場への言及などがなかったこともあり、ドルの買い戻しが強まっています。

今日の予定

本日の海外時間には、英・3月小売売上高指数、米・4月フィラデルフィア連銀景況指数、米・新規失業保険申請件数(前週分)、米・3月景気先行指数などが発表されます。また、ブレイナード・米FRB理事、クオールズ・FRB理事兼副議長の講演なども予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp