先週後半、ドル円は2月5日以来となる110円台をつけました。しかしその後は円買いが強まって、108円台まで反落し、米雇用統計発表後に上下しましたが、109円付近での取引が続いています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

先週は2日にドル円は2月5日以来となる110円台をつけました。しかしその後は米長期金利が3%付近から2.92%台まで低下したことと日経平均先物が下落したことから円買いが強まって、108円台まで反落しました。注目されていた米雇用統計ですが、今月分の非農業部門雇用者数は弱いもので一旦はドル売りに反応しましたが、過去分の上方修正を含めればほぼ予想通りの結果だったほか、失業率が3.9%と2000年以来の4%割れまで低下したことから、株式市場が好感してドルは買い戻されました。今週のドル円はFOMCや米雇用統計といった材料を通過して、その間110円台を付けたこともあって、やや動意に欠ける展開が予想されます。一方先月27日から約1週間で5円下落したポンド円や、同じく先月26日から7営業日で3円余り下落したユーロ円などのクロス円は、未だ下げ止まる気配を見せておらず、一段安が続く可能性があります。

ドル円の戻り売り

先週水曜日には、110円台前半でのドル売りを考えていましたが、FOMC後に高値を更新できなかったことから109.80円でドル売り円買いのポジションを作り、翌木曜日に109.00円で利食いました。今週はドル円はやや動意に欠ける展開を予想していますが、109.20円付近までの戻りがあれば、109.50円に損切りを置いてドル売りポジションを作りたいと考えます。

海外時間からの流れ

前週2日水曜日の海外時間には、日経平均先物が上昇したことからドル円は110.00円台まで上昇しました。

しかし翌3日木曜日アジア時間に、米長期金利が軟調に推移する中日経平均先物が下落したことからドル円は109.50円台まで下落しました。さらに欧州時間にはいると米長期金利の低下が続く中円買いが優勢となって、3日NYドル時間には108.90円台まで下落幅を拡大しました。

その後4日金曜日の欧州時間にかけて、米雇用統計発表を控えて、ドル円は109.00円台を中心としたもみ合いとなりました。NY時間に発表された米・4月雇用統計で、非農業部門雇用者数、平均時給が予想を下回ったことからドル売りが強まって、ドル円は108.60円台まで下落しましたが、失業率が2000年12月以来の3.9%まで低下したことから、株式市場が反発する中ドル円は109.20円台まで上昇しました。

週明けの東京時間にはいってからは日経平均先物が軟調に推移していることから円買いが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には独・3月製造業受注の発表とボスティック・アトランタ連銀総裁、カプラン・米ダラス連銀総裁、エバンズ・米シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp