富裕層は、特別な資産運用をしているというイメージを持っている人もいるのではないだろうか。そのような側面もあるかもしれないが、実際のところ、一般的な収入や資産の人でも、十分参考にできる資産運用をしているという。

資産を守りたい富裕層が重視する「アセットアロケーション」

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(写真=kan_chana/shutterstock.com)

一般的に富裕層は資産を守ることを重要視するといわれている。なぜなら、すでに多額の資産を保有しているので、大きなリスクを取ってさらに殖やそうとするより、いかにして減らさないかを重要視するからだ。

資産を守るために彼らが行っているのが、「アセットアロケーション」を意識した資産運用だ。アセットアロケーションとは、その人がどれだけリスクを取れるか (リスク許容度) に応じて、資産を複数の金融商品や資産 (アセット) に配分 (アロケーション) することだ。

主なアセットとしては、日本の株式、日本以外の先進国の株式、新興国の株式、日本債券、先進国債券、新興国債券のほか、不動産あるいはREIT (不動産投資信託) 、金などのコモディティがある。

値動きが連動しない資産を組み合わせる

アセットアロケーションのメリットは、なんといってもリスクを抑えられることだ。「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるが、大切な卵をすべて同じカゴに入れてしまうと、カゴを落としてしまった時に全部が割れてしまう。資産運用においても、たとえ低リスクの預貯金でも100%同じアセットに置いていると、インフレや予想外の危機が起こった時のダメージは大きくなってしまう。お金の置き場を分散することで、どこかの金融市場でショックが起こった時でも、ダメージを小さく抑えることが期待できるのだ。

資産配分の基本は、主に国内外の株式と債券となる。なぜなら、株式と債券の値動きは逆相関するといわれているからだ。株式が値上がりすれば債券は値下がりし、株式が値下がりした時は債券が値上がりする。また、不動産やコモディティなどは、株や債券の相場から受ける影響が比較的小さく、独自の値動きをするとされる。

このように値動きが逆相関する資産や、連動が少ない資産を組み合わせることで、結果的に値動きが相殺され、全体的には安定した値動きとなることが期待できる。しかし、経済のグローバル化が進むなか、これらのアセットが金融危機などの際に同じ方向に動くことも多く、分散の効果が小さくなっているともいわれている。それでも、変動幅や回復までの期間は異なるので、アセットアロケーションの有効性がなくなっているわけではない。

「何を買うか」より「どう配分するか」

資産運用のパフォーマンスは、アセットアロケーションの中身に大きく左右される。それは、何をどのくらいの割合で組み合わせるかでリスクは大きく異なるからだ。リスクは値動きの幅を意味するので、下落リスクが大きいと狙える利益も大きくなり、リスクを抑えれば損失だけでなく利益の幅も小さくなる。

まずは自分がどれくらいのリスクを取れるかを考えて、資産配分を決めよう。利益は小さくても損失が出にくい資産運用をしたいのか、損失を受け入れても積極的に利益を狙っていきたいのか。一般的には運用できる期間が長い若年層ほどリスクを取りやすく、リタイアが近づくほどリスクは小さくすべきとされるが、その人の性格や資産の使い道、資産や収入の額にも左右される。

最もわかりやすく、シンプルなのは、日本株式と海外株式、日本債券と海外債券という4資産を1 / 4ずつ組み合わせるアセットアロケーションだ。株式の割合を増やすとリスクは高まり、債券の割合を増やせばリスクを抑えられる。

分散効果をより高めたいなら不動産やコモディティを組み入れ、成長期待が高いアセットアロケーションを作りたいなら株式や海外資産の割合を高めたり、海外を先進国と新興国に分けて、新興国株式の割合を増やすという方法もある。

目的に合った適切なアセットアロケーションを実行することで、リスクはコントロールできる。富裕層が昔から実行してきた資産運用を参考に、大切な資産を守り、殖やす術を見つけよう。(提供:大和ネクスト銀行


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