病歴があると生命保険に加入できない、と考えている人は少なくない。しかし、近年は病気でも加入できる医療保険が増えているし、病名や治療経過によっては、通常の医療保険・終身保険に加入できる場合もある。生命保険を検討する際は、プランナーに自分の病歴を告げたうえで、どの保険に加入できるのか確認することが大切だ。

病気があると保険に加入できない場合がある

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(画像=PIXTA)

生命保険は、誰でも無条件に加入できるわけではない。加入申し込みを受けた保険会社は告知内容に基づく審査を行う。そして、健康状態に問題があると判断した場合は、「引受不可」の判断をしたり、契約を引受けるにあたって一定の「条件」を付けたりすることがあるのだ。

病気や死亡のリスクが高い人とそうでない人が、同じ条件で同じ保障を受けられるとなると、契約者(被保険者)間の公平性を保つことができない。保険会社はこういった問題を解消すべく、契約引受の可否の判断材料として被保険者の健康状態や病歴を重要視しているのである。

病気でも加入できる医療保険が増えている

しかしながら近年は、持病があったり病気の治療のために通院・服薬していたりする人を対象とした「限定告知型医療保険」が販売されている。これは、「引受基準緩和型医療保険」とも呼ばれるもので、申込時の告知項目が3〜5項目に簡素化されている。そのため、病歴があったり、現在通院中であったりする人でも、保険会社所定の告知項目さえクリアすれば保険に加入できるのだ。

例えば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社の限定告知型医療保険『新・健康のお守りハート』という商品の場合、申込時に以下の3項目について告知をする。

・今後3カ月以内に、入院または手術の予定があるか
・過去5年以内に、がん・上皮内がん・肝硬変で医師の診察・検査・治療・投薬または入院・手術を受けたことがあるか
・過去2年以内に、病気やケガで入院または手術を受けたことがあるか

そして、これら3つの告知事項を全てクリアすれば、持病があっても、過去に入院歴や手術歴があっても、保険に加入することができるのだ。

限定告知型医療保険に加入する際の注意点

これまで病気が原因で医療保険に加入できなかった人にとって、限定告知型医療保険は非常に魅力的な商品だ。しかし、この種の保険に加入する際は、いくつか注意すべきポイントがある。

●責任開始日から1年の削減期間がある

限定告知型医療保険には、責任開始日から1年間の「削減期間」が設けられている。この間は、給付金額が半分に減額されるのだ。例えば、入院給付日額1万円の保険に加入した場合、削減期間中は入院1日あたり5000円の保険金が給付されることになる。

削減の対象には手術給付金や先進医療に係る技術料等も含まれるため、加入前にはこの点についてしっかり把握しておくことが大切だ。

●一般的な医療保険に比べて保険料が割高

限定告知型医療保険は、通常の医療保険に比べて保険料が割高に設定されている。この種の保険に加入する人には病歴や手術歴、持病、障害などがあることが多く、そうでない人に比べて入院・手術のリスクが高い。保険会社はこのリスクをカバーすべく、通常の医療保険よりも高い保険料を設定しているのだ。

病気があっても通常の保険に加入できる場合がある

ここまで限定告知型医療保険についてみてきたが、過去に入院や手術をしたことがあったり持病があったりしても、“通常”の医療保険に加入できる場合もある。その際には、病気の種類や治療状況、完治後の経過期間などをよく見極めることが重要になってくる。

保険会社は「病気の人を引受けたくない」のではなく、「保険金給付のリスクが高い人を引受けたくない」にすぎない。そのため、病気であったとしてもそれが入院・手術のリスクを伴わないものであったり、病気が完治して一定期間が経過していたりする場合は、健康な人と保険金給付のリスクが同程度であると判断され、通常の医療保険に無条件で加入できることがあるのだ。

●条件付きで通常の医療保険に加入できる場合もある

健康状態に問題があり無条件での医療保険加入が難しい場合でも、「特定部位不担保」という条件を付けて保険に加入できるケースがある。部位不担保とは、体の一部分を保障の対象から外す方法のことをいう。

例えば、半年前に肺気胸で入院し、現在は完治しているとする。この場合、「肺疾患につき5年間」という特定部位不担保条件を付けることで、通常の医療保険に加入できることがあるのだ。この条件が付くと責任開始日から5年間は肺疾患で入院しても保険金給付対象外となるが、他の部位の疾患やケガによる入院については、問題なく保障される。

告知なしで加入できる終身保険もある

死亡時に備えた終身保険の中には、告知なしで加入できるものある。「無選択型終身保険」と呼ばれる商品だ。これは、医師の診査や告知をすることなく無条件に加入できる終身保険で、持病があろうと、過去に大手術を受けていようと、現在がんの治療中であろうと、引受不可になることはない。

ただし、加入後一定期間内に死亡した場合は払込保険料相当額の給付しか受けられなかったり、通常の終身保険に比べて保険料が割高に設定されていたりと、いくつかのデメリットも存在する。

そのため、健康状態に不安がある人が終身保険を検討する際はまず、通常の終身保険に加入できないかどうか調べてみることをおすすめする。