中国経済,労働人口,統計
(画像=PIXTA ※写真はイメージです。)

目次

  1. 投資先としての中国市場
  2. 年就業者数752万人増加
  3. 順調に推移した上半期の労働市場
  4. 労働年齢人口9億1000万人
  5. 数字は平穏でも内実は激動

投資先としての中国市場

【第1回】では健康産業、医療産業のうち、とくに着目すべき10の分野を市場規模と共にお伝えした。 【第2回】では、中国の労働市場にスポットを当て、労働人口の大きさや経済指標を通して中国社会全体を考察していく。巨大な労働市場は中国経済の成長を見通す時に重要な着眼点となるが、同時に高い競争率や失業率の問題など、影と言える部分も孕んでいる。

年就業者数752万人増加

2018年上半期、全国の都市就業者数は752万人も増加した。労働市場は上半期の経済運営における焦点だったが、複雑な内外の経済環境下でも大変に落ち着いていた。こんな自賛記事が7月下旬、新華社通信によって配信された。「捜狐」「騰訊網」などのニュースサイトが伝えている。そこには中国労働市場の巨大さを表す数字が並ぶ。しかし問題点はないのだろうか。以下内容を精査してみよう。

順調に推移した上半期の労働市場