適切な「人事評価制度」の導入が今、企業経営で注目されています。人事評価制度は、企業の経営計画に基づいて社員が業績を挙げるためのエンゲージメントを高める組織のインフラです。社員のスキルを高め能力を開発し、業務効率化や生産性向上によって、強い組織を目指すための基盤でなければいけません。そこで、どのようにして強い組織を目指したら良いのかを考えてみましょう。
人事評価制度という組織のインフラ
中小企業が「人事評価制度」という組織のインフラを整える場合、透明性のある評価項目や基準を徹底し、社員の能力や業績、貢献度などに応じて公平に査定しなければなりません。企業や組織にとって最も大切な資源と言える、人材育成という目的も忘れてはならない重要なポイントです。
人事評価制度には、次のような要素が欠かせません。
・ 評価基準に透明性があり、社員に共有出来る
・ 明確な評価項目や基準で社員の目標に対する行動を促進
・ 社員の能力や業績、貢献度を適正に評価
企業が明確に経営方針やビジョン、目標を示すことで、社員は迷わずに同じベクトルで目標や業務に専念できるようになります。そうすることで全体の底上げに繋がり、生産性向上を目指す強い組織となります。
上司や管理職は定期的に社員が掲げる目標を評価し、能力や成果、貢献度を適切に査定し、結果に対して昇給や昇進で報いることが重要です。人事評価制度の大きな目的とは、そこからさらに社員のエンゲージメントを高め、仕事のやりがいや意欲を生み、最終的にはさらなる成果や業績に結び付けることなのです。
組織インフラとしての人事評価制度の整え方
組織インフラとしての人事評価制度は人事評価シートで表す場合が多いでしょう。大切なポイントは経営方針に沿った行動を社員に執らせる評価項目と、明確に定めた適切なレベルに従って、納得できる目標を社員に持たせる評価基準です。
社会環境や時代の流れ、経営方針など企業を取り巻く状況の変化に伴って、評価項目は変わるものです。十年一日のように1度も変更されない評価項目は、次第にマッチしなくなるので注意が必要です。
評価項目には、企業の方針を管理するシステムを運用、促進する機能と、社員の等級や職種別にやるべき業務内容を明示する役割があります。
企業の経営方針や部署別の方針があれば、社員が徹底して行動できる評価項目とします。例えば、将来的な構想をはじめ、経営課題や部門別の計画や達成への行動、進捗状況のチェックなどです。
企業の方針を管理するシステムが組織に馴染まないケースもあるので、その場合には等級別や職種別にやるべき業務内容を明確にした評価項目とします。例えば、顧客の課題を情報収集するほか、顧客メリットの説明、取引の可能性を拡げる働きかけなど、詳しい業務内容のプロセスを選びます。
評価項目の利点は、部門ごとに業務のクオリティを向上させ、目標の達成に不可欠な行動を検証できることです。その上で、結果を管理できる進捗報告や目標値なども記載します。
強い組織を目指すインフラを徹底する
強い組織を目指すには、人事評価制度という企業のインフラを構築することが必要です。適切な人事評価が運用されることで、何よりも従業員のエンゲージメントを高めることが求められます。社員の意欲や行動が活性化し、業務の効率化を図って生産性をアップさせることが企業にとって重要なのです。
社員のスキルや能力はもちろん、成果や貢献度などを適正に判断し、一定期間ごとに公平に評価することは従業員の貢献意欲を高めます。企業の成長と経営戦略には、社員のレベルを上げることが欠かせないのです。
この人事評価を社員の昇給や昇進などと適切にリンクさせることで、意欲を大きく高めることに繋がります。企業業績を向上させ、経営ビジョンを達成するには、軸となる社員のエンゲージメントを高める必要があるわけです。
人事評価制度が強い組織へのインフラ
最新のタワーズワトソンの調査によれば、「持続できるエンゲージメント」が企業の業績に大きく影響するとしています。
日本でもようやく認知されてきた自発的な貢献意欲をはじめ、生産的な職場環境、健全な就労状態の3要素が揃う企業では、それらがない企業と比べて業績が3倍になるという驚くべき結果となっています。
強い組織を構築するためのインフラとなる人事評価制度を導入、運用することは将来の人材育成にも役立つでしょう中小企業でもこのインフラを整えることで、間違いなく組織を強化する方向へ舵を切ることができるのです。(提供:あしたの人事online)
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