富裕層が利用しているイメージのプライベートジェット。プライベートジェットは定員が数名から20人程度の小型ジェット航空機で、ビジネスジェットとも呼ばれます。今回は、プライベートジェットを利用するメリットや金額などの情報を紹介します。

プライベートジェットを保有する富裕層と日本の状況

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(写真=oneinchpunch/Shutterstock.com)

富裕層の中にはプライベートジェットを個人の趣味で買う人もいますが、それはごく一部です。プライベートジェット購入の目的は、ビジネスがほとんどのようです。

海外では、企業や経営者がプライベートジェットを保有し、ビジネスに活用しています。また、トップレベルのサッカー選手などプライベートジェットを保有しているプロスポーツ選手もいます。日本では、日本通信の三田聖二会長がホンダジェットの日本人顧客1号となったと報道されました。

現在、プライベートジェットは日本ではあまり普及していません。プライベートジェットのビジネスへの活用について日本では認知度が低く、先進諸国に比べて普及が遅れています。これには首都圏の空港でのビジネスジェット用発着枠の整備が遅れていることも影響しています。2010年以降、成田や羽田ではプライベートジェット受け入れ環境の整備に取り組んでおり、これから日本でもプライベートジェットが普及する可能性があります。

プライベートジェットのメリット

プライベートジェットを利用するメリットとして考えられるのは、まず時間を有効活用できることでしょう。定期便が就航していない地域でも直接フライトでき、複数の都市を効率的に移動できるため、移動時間を最短にできます。また柔軟な時間設定ができるため、何かあった場合でも容易に対応できます。さらに搭乗手続きや手荷物検査、セキュリティーチェックも素早く済ませることができます。

機内は第三者が入らないプライベート空間なので、テロやハイジャックなどの可能性を排除できます。また会議などを行うことができるため、移動するオフィスにもなります。

プライベートジェット自体は、資産価値があります。中古機マーケットが確立されていて、年数が経過しても価値が下がりにくく、資産価値が高いです。また機体の減価償却による節税効果も期待できます。

プライベートジェットの金額と性能

保有するにはどの程度の金額が必要になるのでしょうか。プライベートジェットは大きさで価格が変わります。定員5名程度のホンダジェット エリートは6億円弱。定員十数名の機体では、ガルフストリームのフラッグシップ機G650ERが約75億円、ボンバルディア グローバル7000は2018年後半登場予定で約80億円といわれています。

プライベートジェットにはさらに維持費が必要になります。プライベートジェットの年間維持費は2億から3億円といわれており、燃料代、乗務員の給料、駐機代、整備費などのコストがかかります。

性能面では航続距離が気になります。ホンダジェット エリートは航続距離2,661キロメートルで東京から台湾の高雄まで飛行できる距離です。ガルフストリームG650ERとボンバルディア グローバル7000は航続距離1万3,000キロメートル超であり、日本から北米やヨーロッパまで飛行できます。

プライベートジェットは買わなくても利用できる

利用するために、必ずしも買う必要はありません。リース(オペレーティングリース)やチャーターでもプライベートジェットを利用できます。

買って保有するには維持費がかかりますので、年中利用するのでなければ購入やリースよりチャーターの方がコストを安く抑えられます。チャーターも、企業の経営者によるビジネス目的の利用や富裕層の旅行などで利用されています。

プライベートジェットのチャーターを提供している会社は双日や朝日航洋、ジャパンプライベートジェットの他、旅行会社などがあります。

参考までにチャーターの概算費用を紹介します。朝日航洋で定員8名の機体を利用した場合、羽田-新千歳往復で約620万円、羽田-那覇往復で約850万円、成田-台北往復で約1,150万円かかります。

プライベートジェットに乗る際に気を付けたいこと

自分で保有したりチャーターしたりしなくても、ビジネスやプライベートで招待されてプライベートジェットに乗る機会があるかもしれません。そのような場合に気を付けたいことを紹介します。

搭乗時には、通常のエアラインと同様に時間に余裕をもって到着しましょう。ホストを待たせることのないよう、出発の30分前くらいには到着しておくのが望ましいです。

荷物はできるだけコンパクトにしておきたいものです。プライベートジェットは一般の航空機と比べて積み荷や手荷物スペースが広くありません。

機内では迷惑にならないように振る舞いましょう。酒の飲み過ぎや、許可を得ないままSNSに投稿するなど、ホストに迷惑になることがありますので気をつけるべきです。

プライベートジェットを今まで利用したことがなければ、特別な旅行などでチャーターしてみるのはいかがでしょうか。(松本雄一、ビジネス・金融アドバイザー / d.folio

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